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「日本人のための英語教育〜こうすれば日本人は誰でも英語が得意になる〜」  

<日本人の英語教育が上手くいかなかった理由と革命的改善策>
 スポーツでも勉強でも同じですが得意分野でなら自由自在に技を使うことができます。言葉で言うなら、日本人の得意分野は日本語ということになります。日本語ならば、ある程度自在に使うことができます。つまり、多少へんてこりんな日本語でも正確に内容を読みとることができるということです。「へんてこりんな日本語」とは「語順訳」のことです。
 語順訳とは英文を読みながら英文の流れに沿って、逆戻りすることなく意味の塊ごとに訳し下す訳のことです。
例えば
■I saw your father in the park yesterday.■
ならば
「私は・目にした・あなたの父親を・公園で・昨日」
(I/saw/your father/in the park/yesterday/.)
となります。
 つまり、英文の意味の塊ごとに文頭から順番に訳された日本語訳を語順訳というのです。そして、この語順訳とは違い、日常生活で使う日本語らしい日本語訳を和訳といいます。先ほどの例文を和訳すると次のようになります。

1.昨日、君のお父さんを公園で見かけたよ。
2.君のお父さん、昨日公園にいたね。
3.君のお父さん見たよ、公園で、昨日。
4.昨日公園で君のお父さんに会ったよ。
5.私は、昨日公園であなたのお父さんを見ました。
※残念ながら中学では、最も不自然な5.の訳を教えられることが多いようです。

 和訳は英文の訳そのものではなく英文の意味をとって日常的な日本語表現に移し換えた意訳(意味は同じだが訳が異なる場合もある)です。ですから、上記のように何種類も訳が出てきたり、英文本来の訳とは異なる訳になったりすることもあるのです。つまり、英語を理解する上で最も複雑な理解の仕方なのです。ところが日本の学校では、この最も複雑で理解しにくい方法で最初から最後まで教えられるのでドンドン分からなくなってしまうのです。
 言葉は人間が何かを伝えるために作り出した伝達手段ですから誰もが必ず理解できるようになっています。ですから、発音が違っていても必ず置き換えられるようになっています。ただし、それは1語1語を置き換えるのではなく意味の塊で置き換えることができるのです。全ての言葉は、この「意味の塊」で理解できるようになっているのです。ですから、意味の塊で訳をしていく語順訳は、語学(英語以外でも同様です)を学ぶ時の最良の方法なのです。にもかかわらず、日本人は今まで英語学習にこの方法を活用していませんでした。日本人の誰もが持っている得意分野(日本語)での応用を活かせば英語は誰もが得意になれるのです。ここが分かれば、日本人の英語教育が上手くいかなかった理由がよく分かります。それは、語順訳を取り入れた学習方法を教わっていないからです。英文の一行一行を毎回毎回、和訳という最も難解な学習方法で勉強していたからです。英語学習の年齢をどんなに下げても学習方法を変えなければ効果はありません。英語に慣れていないというレベルの問題ではないのです。また、年齢を下げると幼児英語という全く別世界に変化しますので、効果的な教え方や危険な教え方も全く異なってきます。(幼児英語の効果と危険性については割愛します)
 どうして、外国人が比較的簡単に英語を習得できるかというと、母国語の構造(意味の固まりの並び順)が英語と似ているからです。反対に日本人が、どうして英語を苦手とするかというと、日本語(意味の固まりの並び順)が英語の構造とは大きく違うからです。そして、この最大の違いを無視して(慣れるだけの反復)学習を進めているからです。
 語順訳を使った学習で最も優れている点は「誰もが語順訳を和訳と呼ばれる日本語らしい日本語訳にすることは簡単にできる」ということです。理由は簡単です。どちらも日本語だからです。実際に小学生に語順訳を和訳してもらうと実にこなれた名訳をしてくれます。
■I saw your father in the park yesterday .■
■I/saw/your father/in the park/yesterday/.■
「私は昨日公園であなたのお父さんを見ました」←半端な和訳(学校訳)※混乱の素
「私は・目にした・あなたの父親を・公園で・昨日」←語順訳
※語順訳だけを見て小学生が書いた和訳(方言まじり)
「きのう、おまえんとこの父ちゃんば公園でみたばい」
「きのう、公園で見たよ、君のお父さん」
「きのう、おまえん父ちゃんに公園でおうたっちゃんね」
どうでしょうか。なかなかの名訳です。理由は英文を見ないで和訳(日本語の書き換え)をしているだけだからです。日本語の書き換えは誰でもできるということです。つまり、英語学習で練習すべきことではないということです。もちろん中学生の英語学習でも同様です。英文から語順訳を作るまでが英語学習であって、語順訳から和訳をつくることは国語の学習なのです。英語学習では不要なのです。時間の無駄なのです。ところが今までの英語学習では英文から和訳を作る練習をしていました。つまり肝心の英語学習をしないで英語学習という名目で国語の勉強をしていたのです。これでは英語は上達しません。
 このように語順訳を和訳にするという工程は英語の学習とは全く関係ないのです。日本語を日本語に書き換えているだけですから、これは日本語の学習ということになります。つまり、和訳することは英語の基本的な学習ではないということです。これが重要な点なのです。。さらにこの和訳は効果がないだけでなく、日本人が英語を学習するうえで最大の妨害をしているくせ者だったのです。
 もう、お気づきでしょうが、実は英語学習の主役は語順訳なのです。今まで、みなさんは和訳という脇役ばかりを見せられていたのです。物語は主役が引っ張っていくものです。主役の動きを知らなければ話の筋はつかめないし話自体を楽しむことは不可能なのです。英語は主人公である語順訳が上達を約束してくれるのです。日本語(得意技)の応用(語順訳)を活用した方法は日本人にとっては、誰もが最も簡単にできる最も効果的な英語学習方法なのです
 英語は日本語とは違う考え方で組み立てられています。ですから、英語を上達させたいのであれば英語の考え方を身につける必要があります。ところが、和訳は日常的な日本語であるがゆえに日本語の考え方で組み立てられています。ですから、どんなに和訳が上達しても英語は上達しないのです。一方、語順訳は英語の考え方で組み立てられている日本語訳ですから、語順訳をすればするだけ自然に英語の考え方が身に付いていきます。
 もう少し詳しく説明しましょう。
 私達は、語順訳をすると必ず違和感を感じます。「意味は分かるけど変な日本語だなぁ」と感じるはずです。ところが、この違和感が英語上達のキーポイントなのです。この違和感が大事なのです。この違和感こそが日本語とは異なっている発想・考え方・文法の部分なのです。ですから、この違和感を確認することが英語を理解する原点になるのです。私達は常に頭の中では自動的に和訳をしています。ですから、意識的に語順訳をすると自然に和訳との違いを実感します。それが違和感と呼ばれる感情です。ですから、語順訳での学習は「違和感があるのに分かる」学習ということになります。これが大事なことなのです。「違和感があるのに分かる」とは「日本語と英語との違いを意識しながら英文の意味も分かる」ということだからです。英語上達の最重要ポイントはこの「日本語と英語との違い」を理解することにあるからです。
 語順訳での学習には、この英語上達に必要不可欠な「日本語と英語との違いを意識すること」を毎回自動的に復習させる構造が内包されているのです。ですから、語順訳は超基礎レベルからトップレベルまであらゆる段階に有効な学習方法なのです。(資料編に中学校の教科書から英語のエッセイまでを語順訳したものがありますので参考にして下さい)
 反対に和訳は意味さえ分かればいいという考えの学習方法です。ですから、どんなに学習しても「意味しか分からない」ようになってしまうのです。それで、別に文法やリスニングや英作文を勉強するわけです。これではいくら頑張っても時間が足りません。読解だけに出てくる英文なんて無いんです。文法だけに出てくる英文なんて無いんです。リスニングだけに出てくる英文なんて無いんです。英作文だけに出てくる英文なんて無いんです。ですから、バラバラに勉強してはいけないんです。英語の学習方法は語順訳と文法だけでいいんです。
 言葉というものは、最初に話し言葉があって、その話し言葉を残しておくために書き言葉が作られました。話し言葉は話された順番(耳に入ってくる順番)に理解されます。ということは、書き言葉もまた書かれた順番に文頭から戻らずに理解(語順訳)できるということです。特に日本人が英語を学ぶ場合には、この語順訳でなければ英語の思考方法や表現構造を習得することは難しいようです。そこで、英語を学習するうえで最も大切なことは「英文は語順通りに文頭から理解する」ことになります。また、語順訳に慣れてくると次第に違和感が無くなってきますが、これは英語をマスターしてきたという最も確かな証拠です。英語検定などよりずっと確実です。語順訳には英語の上達度合いを自動認識できる特徴もあるのです。英語学習で次の段階に進むには、語順訳での違和感が無くなってきたところで単語力を強化します。この時のポイントは自分が興味のある分野(あるいは必要に迫られている分野)の専門用語(例えば医学の分野なら医学用語)を一気に覚えます。※単語は(文字↓)音↓意味(イメージ)↓音↓スペルの順で覚えるのが効率的です。発音は下手で結構ですが読めないと覚えられません。
 算数では絵図を書くことが理解の橋渡しをしました。英語では語順訳が理解の橋渡しをしてくれます。語順訳とは最小限の意味の固まりで英語の並び順のまま頭から順番に訳し下す方法です。語順訳は英文と和訳文との中間にあたりますので、どちらへの移行も簡単にできるようになります。つまり、語順訳を修得することで英文も和訳文も上手にできるようになるということです。英語では語順訳がプラットホームにあたります。英語〜語順訳は簡単です。また語順訳〜和訳も簡単です。ですから、語順訳を使えるようになると英文〜和訳も簡単にできるのです。逆も同じで和訳〜語順訳は簡単です。語順訳〜英文も簡単です。ですから、和訳〜英文も簡単にできるのです。ところが、直接の英文和訳はプラットホームがないので命がけです。和文英訳(英作文)も同じです。そして、学校で教わる訳は学校訳と呼ばれるほど中途半端な和訳になっていて分かっていないのに分かった気にさせる最も紛らわしい訳です。
 語学での私達の得意技は何と言っても日本語です。語順訳は日本語を縦横に使った英文読解ですので、得意技を活かした学習方法ということになります。持って生まれた得意技(日本語)を効果的に使うので、誰でもマスターできるし応用が利くのです。今まで見てきた視考力も人間の得意技を使っただけでした。語順訳もこの点では同じなのです。得意技を活用すれば今までできなかったこともできるようになるし、分からなかったことも分かるようになるんです。もっていない技ならば使えませんが、この得意技(視考力と日本語)は誰もが持っているのですから、その使い方さえ教えてあげれば誰でもデキルようになるのです。
 学校訳は一見日本語を動かしているように見えますが実は全く反対で頭の中で日本語を固定しておき、その固定した日本語にそって英語をたどっています。これでは得意技は何も活用されていません。英語を動かしてはいけないのです。動かすべきは日本語なのです。語順訳は日本語を自在に動かすことで理解する方法だから簡単なのです。英語を動かす必要がないから日本人にはピッタリなんです。これは全ての言葉の習得で共通しています。フランス語でもスペイン語でも何語でも日本人は語順訳でスムーズに修得できるんです。

   §学習のプラットホーム理論
 算数と英語では全く接点がないように思われるでしょうが、効果的な学習という面から考えると共通点を見いだすことができます。実は全ての学習でも言えることですが、ここでは算数と英語で見てみましょう。
 算数とは計算することではありません。算数とは出来事(文章内容も含む)を記号化することが中心です。その一部で計算という、記号化したものをさらに抽象化(数式化)する場合があるだけです。従って、中心である記号化(具体的には絵図を描くこと)を省いて考えようとすると急に難しくなるのです。これは無謀なことなのです。ですから、一気に数式を考えてはいけないのです。一番大事なことは文章と数式の中間にある記号化の練習なのです。つまり、プラットホームの使い方が大切なのです。ここで算数では「絵図を描くと格段に理解しやすくなる理由」と英語では「語順訳をすると格段に理解しやすくなる理由」が一致します。そうです「プラットホーム」です。この共通した考えを「学習のプラットホーム理論」と言います。学習では得意技を経由して吸収すると最も効果的だということです。前述の体感イメージを使った学習もプラットホームを使ったものといえます

   §こうすれば、日本人は誰でも英語が得意になります 
 実際の指導では、資料編の語順訳サンプル(テキスト仕様)のように必ずカタカナでの発音を併記します。読めることが英語(全ての語学)の学習では最優先されるべき基本ですので、日本語式発音(カタカナ発音)でもいいので読めるようにしておくのです。英語が苦手になるキッカケの最大の原因は英語が嫌いだということではなく、英語を読めないということ(文字を音声化できないことなのです。イメージは文字そのものではなく文字が教えてくれる音声とつながっています。ですから、発音できないと直ぐに分からなくなるのです。このことを知っていると英語の発音が上手でなくとも(英語的でなくとも)学習には全く影響がないことも分かります。発音は日本語的な発音でいいのです。いいというよりも、中高生では日本語的な発音の方が負担が少なくていいのです。
 では、実際に学校訳(今までの考え方)と語順訳とを比較してみましょう。
※今までの考え方
・和文英訳
 私は毎日公園で二個のリンゴを食べます。
 私は/毎日/公園で/二個のリンゴを/食べます。
 I/every day/in the park/two apples/eat
★英語を動かして
 I eat two apples in the park every day. 
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・英文和訳
 I eat two apples in the park every day.
★英語を動かして(次のように英文を行ったり来たりしながら訳す)
 I(私は) eat two apples in the park every day.
 I eat two apples in the park every day(毎日).
 I eat two apples in the park(公園で) every day.
 I eat two apples(二個のリンゴを) in the park every day.
 I eat(食べます) two apples in the park every day.
★この動きは英語を次のように移動させていることなのです。
 I
 every day
 in the park
 two apples
 eat
★そして組み立てると意味だけしか分からない和訳が残る
 I eat two apples in the park every day.
 私は毎日公園で二個のリンゴを食べます。
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※語順訳での考え方
・和文英訳
 私は毎日公園で二個のリンゴを食べます。
 私は/毎日/公園で/二個のリンゴを/食べます。
★日本語を動かして:「(後ろから)いつ・どこで・(前から)だれが・どうする・なにをする」
 私は/食べます/二個のリンゴを/公園で/毎日
★そのままの語順で英語にする
 I(私は) eat(食べます) two apples(二個のリンゴを) in the park(公園で) every day(毎日).
 I/eat/two apples/in the park/every day.
 I eat two apples in the park every day.
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・英文和訳
 I eat two apples in the park every day.
★そのままの語順で
 I/eat/two apples/in the park/every day.
 私は/食べます/二個のリンゴを/公園で/毎日(語順訳※ここまででOK)
 私は毎日家の前の公園で二個のリンゴを食べます。(日本語を動かして作った和訳例)
★和訳は日本語の言い換えなので練習しなくても誰でもできる。必要に応じて日本語らしい日本語を考えればいい。その時には、英語を見ないで語順訳だけを見ながら日本語を考えると素敵な和訳が簡単にできる。
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 このように今まで殆どのテキストで使われていた英文読解の致命的欠点は学校訳と呼ばれる中途半端な意訳(和訳)に大きな原因があったのです。日本人の得意技である日本語を効果的に使った語順訳でもなければ和訳にしてはぎこちない最も勘違いしやすい訳を教わっていたのですから日本人の多くが英語が苦手というのもうなずけます。それでも、今の例は語順訳と和訳が似ているので被害は少ない方ですが、修復不可能なくらいにお粗末な学習をさせられているのが現状です。会話文を増加させたことにも大きな原因がありますが、まずは実際の中学校の教科書を見てみましょう。
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 例えば welcome(ウェルカム)、これを
Welcome to our school.「私達の学校へようこそ」

「welcome=ようこそ」と覚えさせている。

 これでは英語は分からないし応用は全く利きません。どうしてだと思いますか?
 次の例文を見て下さい。welcomeは次のように使われます。
・I welcome you.↓私は・ようこそ・あなた↓?
・I welcome you to my house.↓私は・ようこそ・あなた・私の家へ↓?
・Welcome to my house.↓ようこそ・私の家へ
 どうもピンとこない。
 なぜならば welcomeの意味は「ようこそ」ではないからです。
 welcomeは「歓迎する」という意味なのです。
 このこと(本当の意味)を教えてもらうと、
・I welcome you.↓私は・歓迎する・あなたを(語順訳)
↓(和訳例)「ようこそいらっしゃいました」「来ていただいて嬉しいです」
・I welcome you to my house.↓私は・歓迎する・あなたを・私の家へ(語順訳)
↓(和訳例)「僕の家にようこそ来てくれました」
・Welcome to my house.↓歓迎する・私の家へ(語順訳)
↓(和訳例)「僕の家にようこそ来てくれました」となるのです。
※「ようこそ」とは「よくぞ〜してくださって感謝します」つまり意味的には Thank you.「感謝する・あなたに」なのです。
 Thank you.も「有難う」ではなく「感謝する・あなたに」です。ですから、
「私達の学校へようこそ」は英訳すると Thank you for your coming to our school.になります。

 同様に
・He is Ken.を「彼はケンです」と覚えさせ、「he↓彼は」「is↓です」「Ken↓ケン」と分解してみせる。
 では He is in his room. はどう訳すのだろうか?「彼は・です・彼の部屋に」???
 isの訳は「在る」一語です。これさえ教えてあげれば be動詞で困ることはないのです。
・He is Ken.「彼は・ある・ケンで」(語順訳)
↓(和訳例)「彼はケンです」
・ He is in his room. 「彼は・ある・自分の部屋に」(語順訳)
↓(和訳例)「彼は自分の部屋にいます」
・He is swimming in the sea now.「彼は・ある・泳いでいるところで・海で・今」(語順訳)
↓(和訳例)「彼は今海で泳いでいるところです」
さらに
・ Good morning.「お早うございます」に至っては手の着けようがありません。
「お早うございます」とは「あなたは、早く(起きている人で)ありますね」という意味で You are an early riser.「あなたは・ある・早く起きる人で」という意味です。
 つまり、 Good morning.の中に「早く」という意味はないのです。
Good morning.とは It's a good morning.=This morning is a good morning.のことで「いい朝ですね」です。こう教えると「good・よい」も「morning・朝」もどちらも応用が利きますが Good morning.「お早うございます」では何にも使えない。同等に、危険な教え方がなされている例が I am sorry. です。これを最初に「ごめんなさい」と教えてはいけません。この意味は「私は・ある・気の毒で」です。友達の犬が死んでしまったと聞いたときに、その友達に I am sorry. と言いますが「ごめんなさい」ではチンプンカンプンです。もちろん「私は・ある・気の毒で」という語順訳ならば和訳を「可愛そうにね」「残念だね」「ショックだろうね」とするのも自由自在です。 I am sorry. が「ごめんなさい」になる場合は原因が自分にある場合だけです。
 どうしてこんな馬鹿げたこと(学校訳)が今なお平然として英語教育の柱となっているのでしょうか。それは、意味を正確に取ることと意訳(和訳)を混同しているからです。意味的に似ているから何でもいいわけではないのです。特に中学の英語は応用が利くようにしてあげなければいけないのです。
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●利用者の声●『やる気を引きだし、考える力を身につける』ことをテーマに指導を行っております。単に記憶するだけの学習に疑問を持ちながらも、最近よく見かけ、速聴・速読などで謳われている“右脳教育”を取り入れるべきなのか?と考え始めていたところでした。ところが、どんぐり先生の著書に出会い、『まさにその通り!』と自分の考えの甘さを反省したところです。特に、英語の読み下しのやり方には感動し、試しに生徒にやらせてみた所、『先生、俺できるよ!』と、英語が苦手の生徒が喜んでやっていました。
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   §日本語の秘密と英語の秘密
 日本語と英語では文の要素の並べ方(語順)が違うので日本語で英語の語順通りには理解できないと思う人もいますが、できるのです。その秘密は日本語にあります。日本語には助詞という便利な言葉があり、この助詞の力のために日本語は文節と呼ばれる「意味の塊」で語順の入れ替えをしても文意が理解できるのです。つまり、英文を理解するのに行ったり来たりして日本語的な日本語(和訳)を作ることは英語学習においては最も難解で効率の悪い学習方法だったのです。正しい学習方法は、英語の語順通りに日本語を工夫して理解する語順訳だったのです。そして、この語順訳ができれば、前述の通りに和訳は誰にでもできるので、訓練すべきことは英文和訳ではなく英文語順訳ということになります。また、この英文語順訳は英文読解だけではなく、英文速読と英作文の練習にもなりますので、是非マスターしてもらいたいのです。また、語順訳は、英文中の前置詞を日本語では後置詞にあたる言葉と置き換える単純作業ですから、英語の導入時期から無理なく効果的にできる優れた学習方法なのです。教育は工夫次第で劇的に変わるのです。
 最後に、語順訳をしている中で特に意識して欲しいことを書いておきます。それは、語順訳をする時の区切りです。日本語では文節に当たりますが、この区切り(スラッシュを入れて意味の塊で切る単位)を意識することが大事なのです。日本語でも低学年の国語の教科書では文節ごとに一マス空白を置いてありますが、これは文節を意識させるための工夫です。平仮名ばかりの文では特に意味の塊が分かりづらいからです。英語は漢字がないので(表音文字なので)、丁度この平仮名だけの日本語と同じなのです。ですから、区切りを意識することが大事なのです。この区切りの意識が英語の理解そのものにつながるからです。語順訳は必ず区切りを意識するようになっています。ですから、語順訳で学習をしている人は、自然に毎回、区切りを体感しているので体の中に正しい英語の体感イメージが作り上げられるのです。そして、この体感イメージが他の教科の場合と同様に理解を大幅に助けるのです。
文法の説明にも工夫が大事です。例えば中1で「動詞が時間帯を指定する助動詞と意味を表す本動詞(V=vt+vm)に分解できる」ことを教えると、全ての英文から1つのルール(時間帯を指定する助動詞を主語の前に移動する)で一般疑問文を全て作ることができますし、同様に1つのルール(時間帯を指定する助動詞の次に not を置く)で否定文も全て作れるのです。すると、動詞を分解する練習さえすればどんな英文でも一般疑問文と否定文を作れるようになるのです。基本とは簡単なことではなく、何にでも応用が利く根本的な考え方のことなのです。この基本を教えずに応用力の養成はできないのです。

   §発音やリスニングのマスター方法
 発音はカタカナ発音でいいことは前述しましたが、会話で通じる発音を要求される場合には、次の要領で学習すれば、英語の発音とリスニングは6ヶ月もあれば完璧になります。
1・腹式呼吸をマスターする(一週間)
2・日本語にない発音をマスターする(一週間)
3・日本語にない発音を含む単語の発音をマスターする(二週間)
※ ここまでが、日本語の発音では使わない筋肉の養成です。腹筋と口の回りの筋肉を鍛える
 と正しい英語の発音ができるようになります。正しい発音ができると、正しい音のイメージ 
 が頭の中にできるので耳から入ってくる日本語にない音でも聞き分けることができます。よ
 く言われる日本人には聞き分けられない発音があるというのは音のイメージを作らないまま
 に聞き分けようとしているからであって、先にイメージを作ってあげれば簡単に聞き分けら
 れるのです。
4・クローズドキャプション(洋画で英文字幕が出るビデオ)を使って学習する(五ヶ月)
※ 多くの洋画ビデオには、このクローズドキャプションが組み込まれていますのでビデオデッキが対応していれば何の投資もしないでこの機能を使うことができます。内蔵されているデッキには CLOSED CAPTION DECODER と表記されています。日本語字幕付きビデオならば「音声は英語+日本語字幕+英語字幕」になりますし、日本語吹き替えビデオならば「音声は日本語+英語字幕」になります。