■小学英語:唯一効果的なのは「英語を使わない英語教育」です。
§低学年からの語学学習は細心の注意を要する:英語を使わない英語学習は小学生でも弊害はなく効果的
■英語を使わない低学年からの英語学習
英語を一切使わない英語学習があるといったら信じられますか? 普通は考えられません。ところが、一切英語を使わなくても(日本語だけで)英語の基本をかなり高度なところまで身につけることができるのです。
英語を使いませんから、低学年に適用しても何の弊害もありませんし、意識しなくても日本語と英語を同時に強化することができますので、効果は最大なのに子供たちへの負担は限りなくゼロに近くなります。よく指摘される幼児英会話などの危険性とも無縁です。
方法は簡単です。語順訳から和訳を作る練習と和訳から語順訳を作る練習をするだけでいいのです。これだけで、日本語の感覚も英語の感覚も身につけることができるからです。
これまでに英語の学習には英語が必要だと思われてきましたが、語学という観点から見れば、英語はアルファベットを使っている言語の一つというだけで、英語が日本語とまったく違うわけではないのです。人間が使える言葉という伝達手段としては同じなのです。
こうして、小学生時代に英語的日本語(語順訳)も使えるようになると、中学で接する英語は単語の変換だけで済むことになり、飛躍的に英語修得が楽になります。
低学年からの英語教育とは英文そのものに親しむことではなく、英語的日本語教育であるべきなのです。この方法ならば、日本語で外国の事を楽しく学習できますし、難しい内容でも何の苦労もなく吸収することができるのです。そうすると、中学ですることは単なる文字の変換作業になりますから、誰も何の苦労もなくできるわけです。
これが、低学年からのもっとも効果的な英語学習方法です。サンプルを見てみましょう。
第一段階・語順訳から和訳を作る練習(小学生・低学年)
語順訳「これは/ある/車で」
和訳例「これは車である」「これ車だよ」「車だね、これ」「これ車やね」
第二段階・和訳から語順訳を作る練習(小学生・中学年)
和訳例「僕は、公園で毎朝2個のリンゴを食べてるよ」
語順訳「私は/食べる/2個のリンゴを/公園で/毎朝」
第三段階・和訳から語順訳を作る練習・応用編(小学生・高学年)
和訳例「英語を話すのは苦手なんだよ」
語順訳「私は/ない/上手では/話す点において/英語を」
和訳例「英語は話せないんだよなぁ」
語順訳「私は/話すことができない/英語を」
和訳例「英語を話すのは難しいね」
語順訳「話す事は/英語を/ある/難しく」
「私にとって/話す事は/英語を/ある/難しく」
「それは/ある/難しく/私にとって/話すことは/英語を」
*****小学校で語順訳を身に付けていると、中学では多くの場合、単語の変換だけで正しい英文を作ることができます。例を見てみましょう。
第四段階・語順訳から英文を作る練習(中学生)
※英文から語順訳を作る練習は、ここでは省略します。
語順訳「これは/ある/車で」
英 文 This/is/a car.
語順訳「私は/食べる/2個のリンゴを/公園で/毎朝」
英 文 I/eat/two apples/in the park/every day.
語順訳「私は/ない/上手では/話す点において/英語を」
英 文 I/am not/good/at speaking/English.
語順訳「私は/話すことができない/英語を」
英 文 I/canユt speak/English.
語順訳「話す事は/英語を/ある/難しく」
英 文 To speak/English/is/difficult.
語順訳「私にとって/話す事は/英語を/ある/難しく」
英 文 For me/to speak/English/is/difficult.
語順訳「それは/ある/難しく/私にとって/話すことは/英語を」
英 文 It/is/difficult/for me/to speak/English.
語順訳「どこに//あなたは/行ったか/昨日」
英 文 Where/did/you/go/yesterday.
語順訳「何を//彼は/買ったか/あの店で/今朝」
英 文 What/did/he/buy/at that shop/this morning.
語順訳「目を向けて/あの犬に/泳いでいるところの/海で」
英 文 Look/at the dog/swimming/in the sea.
語順訳「私の母は/帰宅した/いつかというと/私が/あったとき/
耳を傾けているところで/ラジオに」
英 文 My mother/came home/when/I/was/listening/to the radio.
言葉は思考と密接な関係があります。したがって、十分な思考回路が育っていない時点で、不要な言葉を学習させることは危険な行為です。「少しでも話せるようになればいい」「慣れていれば先が楽だろう」程度の考えで学習させるものではありません。貴重な幼児期に中学で一週間もあればできることを何年もかけて半端にできるようにしても意味はないのです。害はあっても益はないのです。
私が提案していることは、日本語の練習の延長線上にあります。ですから、英文そのものを幼児期に入力することで生じる言葉の混乱や語彙不足や語感の欠如などの弊害を取り除きつつも、将来の英語学習の基礎固めを確実にできるのです。
しかし、弊害を承知の上で、それでも生活の一部として幼児英語が必要であれば、生活英語から入って、好きな分野の英語で応用力をつけるようにすると負担は軽減できます。ただし、その場合でも、日本での生活環境を考えると純粋なバイリンガルではなく「セミバイリンガル」がお勧めです。つまり、英語脳を作ってしまうのではなく、英語を話せる日本語脳を育てるということです。コンピューターでも、言葉の変換ソフトは数多く使いますが、OS(脳)は一種類です。日本にいて英語脳を目指すことにはロス(無駄)が多すぎるからです。
もちろん、日本語脳のままでも英語に慣れるにしたがって、日本語を介さずに英語の発音から直接イメージを連想できる(英語が分かる)ようにはなります。ですが、それは副産物であって最初から目標とすべきことではないのです。筆算だけをしていても、慣れると簡単な暗算が自然にできるようになることと同じです。目標設定を間違うと、当然ながら手法も間違ってしまいますので要注意です。
スポーツでも勉強でも同じですが得意分野でなら自由自在に技を使うことができます。言葉で言うなら、日本人の得意分野は日本語ということになります。日本語ならば、ある程度自在に使うことができます。つまり、多少へんてこりんな日本語でも正確に内容を読みとることができるということです。「へんてこりんな日本語」とは「語順訳」のことです。
語順訳とは英文を読みながら英文の流れに沿って、逆戻りすることなく意味のかたまりごとに訳し下す訳のことです。例えば<I saw
your father in the park yesterday.>ならば「私は・目にした・あなたの父親を・公園で・昨日」(I/saw/your
father/in the park/yesterday/.)となります。つまり、英文の意味のかたまりごとに文頭から順番に訳された日本語訳を語順訳というのです。そして、この語順訳とは違い、日常生活で使う日本語らしい日本語訳を和訳といいます。先ほどの例文を和訳すると次のようになります。
1.昨日、君のお父さんを公園で見かけたよ。
2.君のお父さん、昨日公園にいたね。
3.君のお父さん見たよ、公園で、昨日。
4.昨日公園で君のお父さんに会ったよ。
5.私は、昨日公園であなたのお父さんを見ました。
※残念ながら中学では、最も不自然な5.の訳を教えられることが多いようです。
和訳は英文の訳そのものではなく英文の意味をとって日常的な日本語表現に移し換えた意訳(意味は同じだが訳が異なる場合もある)です。ですから、上記のように何種類も訳が出てきたり、英文本来の訳とは異なる訳になることもあるのです。つまり、英語を理解する上で最も複雑な理解の仕方なのです。典型的な例を幾つか挙げておきますが、困ったことにこれらは全て中学の教科書で教わるものばかりです。
Good morning.→お早う御座います。×
→今朝は・ある・良い朝で
=This morning is a good morning.
=It's a good morning.
=Good morning.
※英文の中にはどこにも「早い」という表現はない
Thank you.→有難う。×
→私は・感謝する・あなたに
=I thank you.
=Thank you.
※英文の中にはどこにも「有難い」という表現はない
Welcome to Japan.→日本へようこそ。×
→私は・歓迎する・あなたを・日本に
=I welcome you to Japan.
=Welcome to Japan.
※英文の中にはどこにも「ようこそ」という表現はない
How do you do ?→初めまして。×
→どのように・・あなたは・暮らしているか
=How do you live ?
=How do you do ?
※英文の中にはどこにも「初めて」という表現はない
言葉は人間が何かを伝えるために作り出した伝達手段ですから誰もが必ず理解出来るようになっています。ですから、発音が違っていても必ず置き換えられるようになっています。ただし、それは1語1語を置き換えるのではなく意味のかたまりで置き換えることができるのです。全ての言葉は、この「意味のかたまり」で理解できるようになっているのです。ですから、意味のかたまりで訳をしていく語順訳は、語学(英語以外でも同様です)を学ぶ時の最良の方法なのです。にもかかわらず、日本人は今まで英語学習にこの方法を活用していませんでした。日本人の誰もが持っている最も有効な得意分野(日本語)での応用を活かせば英語は誰もが得意になれるのです。
1:英語が上達しないワケ
日本人が英語を苦手とするのは、語順訳を取り入れた学習方法を教わっていないからです。英文の一行一行を毎回毎回、和訳という最も難解な学習方法で勉強していたからです。
どうして、外国人が比較的簡単に英語を習得できるかというと、母国語の構造(意味の固まりの並び順)が英語と似ているからです。反対に日本人が、どうして英語を苦手とするかというと、日本語(意味の固まりの並び順)が英語の構造とは大きく違うからです。そして、この最大の違いを無視して学習を進めているからです。ここで大事なことは誰もが語順訳を和訳と呼ばれる日本語らしい日本語訳にすることは簡単にできるということです。理由は簡単です。どちらも日本語だからです。
さて、問題はこれからです。実はこの語順訳を和訳にするという工程は英語の学習とは全く関係ないのです。日本語を日本語に書き換えているだけですから、これは日本語の学習ということになります。つまり、和訳することは英語の基本的な学習ではないということです。これが重要な点なのです。それなのに、私達は中学で最初から最後までこの和訳しか教わらないのです。これでは上達しないのもうなずけます。
ここで、語順訳が再登場してきます。実は英語学習の主役は語順訳なのです。今まで、みなさんは和訳という脇役ばかりを見せられていたのです。物語は主役が引っ張っていくものです。主役の動きを知らなければ話の筋はつかめないし話自体を楽しむことは不可能なのです。英語は主人公である語順訳が上達を約束してくれるのです。日本語(和訳)の応用(語順訳)を活用した方法は日本人なら、誰もが最も簡単にできる最も効果的な英語学習方法なのです
2:なぜ、語順訳が英語学習で最良の方法なのか
英語は日本語とは違う考え方で組み立てられています。ですから、英語を上達させたいのであれば英語の考え方を身につける必要があります。
和訳は日常的な日本語であるがゆえに日本語の考え方で組み立てられています。ですから、どんなに和訳が上達しても英語は上達しないのです。一方、語順訳は英語の考え方で組み立てられている日本語訳ですから、語順訳をすればするだけ英語の考え方が身に付いていきます。
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必ず語順訳は違和感を感じます。意味は分かるけど変な日本語だなぁ、と感じるはずです。ところが、この違和感が英語上達のキーポイントなのです。この違和感が大事なのです。この違和感こそが日本語とは異なっている発想・考え方・文法の部分なのです。ですから、この違和感を確認することが英語を理解する原点なのです。私達は常に頭の中では自動的に和訳をしています。ですから、意識的に語順訳をすると自然に和訳との違いを実感します。それが違和感と呼ばれる感情です。ですから、語順訳での学習は
「違和感があるのに分かる」学習ということになります。これが大事なことなのです。「違和感があるのに分かる」とは「日本語と英語との違いを意識しながら英文の意味も分かる」ということだからです。英語上達の最重要ポイントはこの「日本語と英語との違い」を理解することにあります。
語順訳には、この英語上達に必要不可欠なことを毎回自動的に復習させる構造が内包されているのです。ですから、語順訳は超基礎レベルからトップレベルまであらゆる段階に有効な学習方法になるのです。
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和訳は意味さえ分かればいいという考えの学習方法です。ですから、どんなに学習しても「意味しか分からない」ようになってしまうのです。それで、別に文法やリスニングや英作文を勉強するわけです。これではいくら時間があっても上達はしません。読解だけに出てくる英文なんて無いんです。文法だけに出てくる英文なんて無いんです。リスニングだけに出てくる英文なんて無いんです。英作文だけに出てくる英文なんて無いんです。ですから、バラバラに勉強してはいけないんです。英語の学習方法は語順訳だけでいいんです。
●(英文→語順訳→和訳)の実例 How do you say sukoshi in English ?(New Horizonより)
(英文)How / do / you / say/sukoshi/in English ? (語順訳)どのように・あなたは・いうか・「少し」を・英語で
(和訳1:小5)君は「少し」をどうゆうふうに英語でゆうの。 (和訳2:小3)「少し」って、英語でどういうと。※九州の方言らしい訳です。
(和訳3:小5)君は「少し」を英語でどういうとね。※福岡の子どもなので九州の方言混じりですが素晴らしい訳です。 ※語順訳さえ出来れば和訳はいつでも誰でも上手に出来るようです。(中学生だともっとこなれた日本語にできます)
※ポイントは、英文を見ないで語順訳だけを見て自由に和訳することにあるようです。 ※多くの中学で語順訳を取り入れてくれたらいいのですが.........。
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※発音に関していわれるLとRに関しても早くから学習しないから区別が出来ないと言うのは迷信です。腹式呼吸と舌の動きと発音に必要な口の回りの筋肉を養成して正確な発音方法を教えてもらえば、いつからでも完璧に聞き分けも発音も出来るようになります。発音できると発音時の振動を感知(体感)できます。すると聞いていても区別がつくのです。日本語の発音にない音ですので日本語の発音をしているときには使っていない筋肉を使います。ですから、顎の付近の筋肉が懲りますが可能です。
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