これだけ算数・計算編<まえがき>
●今までの計算ドリル(計算練習)は確かな目標もなく「習熟」という名目の下に反復学習のための無目的なドリルしかありません
でした。この計算練習問題は「どんぐり倶楽部」の基本方針である「無理なく無駄なく効果的な」学習を可能にするために特別に
編纂したものです。小学生で身に付けなければならない計算は実に少なく高速でできる必要も一切ありません。高速計算練習に
関しては不要なばかりでなく、子供に最も大きなストレスを与える最悪の学習方法です。このことは最後に納めてある日本最高峰
の私立中学入試問題(計算)を解くことで分かります。
●基本とは「単純な計算の反復だ」と思っていたり、「高速計算が頭の回転(思考力)を高める」などと思っているようではいつま
でたっても学力養成はできません。計算は応用の利く本当の基本を正確に根気よく丁寧にできるようにするだけでいいのです。
多量の問題は不要です。特に単純計算を毎日練習することは「計算力アップ」には全くなりません。どんなに多くの無目的な計算
問題を解いても複雑な計算を簡潔に解いてしまう応用力は育たないからです。それなのに、徹底的に反復して体で覚えるまで練習
する(何も考えないで反射的に反応する様にする)ことを奨励している問題集があります。時間の浪費です。スポーツなどで瞬時
に反応する必要がある場合には効果的な練習ですが勉強では全く反対で、考えない習慣を付けてしまうという最悪の学習方法とな
ります。
●まずは、全問に目を通して下さい。小学校の6年間で何を目標にすればいいのかが分かります。また、各学年で完璧に仕上げる必
要がないことも分かるでしょう。各学年では計算の理屈と手順をマスターすればいいのです。徐々に複雑な問題もできるようにし
ていき、6年生で仕上げればいいのです。なぜならば、6年生の問題に全ての計算が含まれているからです。復習が自然にできる
ようになっているからです。よく計算は積み重ねだといいますが違います。全ての計算は「10の補数と九九」で成り立っています。
つまり、毎回復習が入っているのです。
●最も大事なことは低学年でのストレスを極力少なくすることです。特に計算を大量に学習させることは最悪のストレスを与えます
のでご注意下さい。
●現行の学年別カリキュラムでは学習にロスが生じますので学年に関係なく下記の様に学習されることをお勧めします。また、各項
目でのポイントを書いておきますので必ず読んで下さい。何をしなくてはいけないのか、何をしてはいけないのかが分かります。
特にしてはいけないことに注意することが大事です。小学生は人格形成に最も大きな影響を与える時期ですので、学習のための学
習ではなく教育の中の学習を常に意識しておかなければ教育は失敗してしまうからです。全体のポイントは「計算が得意になって
はいけない」ということです。計算ごときを得意がってはいけないのです。計算は6年間で仕上げるようにして、文章問題に時間
を使って下さい。ゆっくりジックリ丁寧に取り組めば文章問題は楽しく有意義なものになります。健全で豊かな教育のお役に立て
れば幸いです。
●この問題集は1週間に1題だけで計算問題を完璧に出来るようになる仕組みになっています。
つまり、1学年分が52題(52週=1年間)で構成されています。
●ゆっくりジックリ丁寧に学習して下さい。
※1日1題解くと7年間分(年長〜小6)の問題を1年間で消化してしまいます。(調整してお使い下さい)これだけ算数1・計算問題編・まえがき