総索引

 現在のところ我々は網膜を主に研究していますが、層構造は網膜に特徴的な構造ではなく、中枢神経の他の領域でも見られます。例えば中脳の背側の視蓋と呼ばれる領域、小脳などでは全ての脊椎動物で明確な層構造が見られ、また、特にヒトなどで脳の大部分を占める大脳皮質において6層の構造が見られるのは有名です。大脳皮質に関しては、興味深いことに、哺乳類の脳に特徴的な構造で、あれだけ賢いカラスでさえも前脳に層構造は持ちません。網膜で使われている層形成機構は他の脳の領域でも働いているのでしょうか。また、進化の過程で、どのようにして哺乳類だけ大脳皮質の層構造を獲得したのでしょうか。そもそもなぜ層構造を持つ領域は中枢神経系の背側に相当する領域から出来るのでしょうか。層形成から派生してくる興味は尽きません。
五感による知覚の割合
   味覚1.0%、触覚1.5%、嗅覚3.5%、聴覚11.0%、視覚83.0%
情報:(仏語アンフォルメから、バラバラなデータを一つの意味;形(フォルム)に
     する事、自ら纏め上げる事が情報)
*人間の脳に入る情報:毎秒、約60万Bit(80%は視覚情報)
*人間の意識は:毎秒、10~20Bitを受入れ(1%を長時間記憶)
*一生に記憶される情報は約3億Bit(目覚めている時間:20億秒として)
* 140〜160億個の脳細胞の2%しか使っていない。
●手が第2の脳と呼ばれる理由は記録できるからです。