§18歳までの教育適齢期マップ(Ready-Go-Map)
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■00-03(情緒教育適齢期):イメージ原形作成時期:感味力養成(吸収力の素)
■03-06(感情教育適齢期):イメージ再現による理解力養成(理解力は再現力)
■06-09(具象思考適齢期):思考モデル作成時期:実物(具象物)での確認をしながら の視覚イメージ操作を十分に楽しみ思考力を養成ます。※知的系統的学習は厳禁です。
※第一次臨界期(移行期)――――――――――――――――――――――――――――
十分な具象思考をしていないと抽象思考に移行できないので暗記だけになる。
■09-12(抽象思考適齢期:思考・判断教育):思考モデルの応用時期:抽象物(頭の中だけで確認しながら)での思考が可能になるので処理速度が格段に上がる。考える過程を利用して豊富な思 考モデルを作り出す。※過程軽視のパターン学習は厳禁です。
※第二次臨界期(完成期)――――――――――――――――――――――――――――
■12-15(知育適齢期:仕上教育):思考モデルの実践活用時期:多量の知識を与えたり、スピード処理をする知的系統的学習もこの時期ならOKです。ま
た、問題形式別のパターン学習も考え方の一つとして消化しますのでOKです。高校受験を活用すると効果的です。
■15-18(社会適応力養成):表現力・伝達力の養成や工夫はこの時期にする。
■18歳で成人↓■21歳で社会人――――――――――――――――――――――――――
■■■■■■■■■■■■■■■ 12歳は思考の臨界期 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
人間の性成熟年齢(何才で子孫を残せるようになるのか)は12歳です。驚きに値しますが、1999年8月に英国イングランド北部のローザハムで12歳の少
女が男の赤ちゃんを産んでいます。性成熟年齢にはもう一つ重要な意味があります。子孫を残せるということは進化の証である最も発達した(最終的に獲得し
た)適応能力部分にあたる機能の発達が終わる年齢だということです。人間で言うと「人間的な判断力を含む思考する機能・思考力」の発達(組み立て)が終
わってしまう時期だということです。つまり、人間では12歳が機能的な思考力養成の臨界期だと言うことです。
料理の下ごしらえと調理が異なるように、頭の機能的な発達が完了する12歳の前と後では、教育方法は異なって当然ですし、異なっていなければ不自然で
す。赤ちゃんにミルクではなく御飯をそのまま与える人を見て喜ぶ人がいるとは思えませんが、教育界ではお金と時間をかけて御飯を与えているような人がいま
す。また、どんなに優れたスーパーコンピューターでも初期設定を間違えると電卓にも及ばないことは周知の事実です。
無事に12歳までに、人間としての証である「人間的な判断力を含む思考する機能・思考力」を始動させる(十分に機能するように設定する)ことができれ
ば、後は多少乱暴な教育でも大丈夫です。準備が整っていれば中学はスパルタでもいいということです。丁度、高校受験前の3年間となりますので絶好の知育期
間となります。知識とスピードはこの期間に付けるのです。「鉄は熱いうちに打て」といいますが、早すぎては砕け散ってしまいます。知育教育の最適期は中学
の3年間なのです。反対に、12歳までの教育では、どんなに素晴らしい目標を掲げていても、過程を重視しない学習指導のような、手法そのものが間違ってい
ては悪影響が大きく考えられない頭を育ててしまいますので要注意です。
12歳までの教育で「出来るようになれば何でもいい」という考え方は子供の才能を潰すことに他なりません。子供達は才能に満ち溢れています。ところが、
教育という名の下で多くの子供達は才能を潰されています。少なくとも12歳までの教育で「できる」と「スピード」を掲げている場合は要注意です。このこと
に気付かなければ一生の禍根を残します。「できる」という結果ではなく「分かる」という過程そのものが大事だというのは、道徳的なことではなく学力養成に
不可欠だからです。思考力養成には学習の過程で修得される様々な思考モデルが必要不可欠なのです。様々な思考モデルは「具体的に悩むこと」でのみ修得でき
ます。ですから、答えではなく過程が大事なのです。自信を持たせるために「出来る」ようにする人がいるようですが大変お粗末な教育です。「分かる」ことを
実感させることで自信を持たせるのです。それには「分かる」とは具体的にはどういうことかを知っていなければ指導できません。知らない人は「出来れば分か
る」「出来ているから分かっている」とトンチンカンなことを平気で言います。「読み・書き・計算」をどんなに徹底しても自然に考えられるようはなりませ
ん。少なくとも12歳未満での「10の補数(足して10までの一桁どうしの足し算も含む)と九九」以外の高速計算練習は厳禁です。
暗記には思考モデルは何一つありません。1対1対応の再現練習だからです。そして、計算には思考モデルは「10の補数と九九」しかありません。詳しく見
ても使っているのは「10までの足し算と九九だけ」という貧弱で数少ない思考モデルしか使っていないのです。ですから、どんなに高速に多量の計算問題を解
いてもやっていることは10までの足し算と九九の反復ですので思考力の素になる多様な思考モデルは修得できないのです。当然のことながら、思考力は育ちま
せん。多量の知識を与え、多量の高速計算練習をさせて「これだけ勉強しているのに、どうして考える力が育たないのだろう」と首を傾げる人がいますが、考え
る練習をしていないのですから思考力は育ちようがありません。非常に大くの問題を解けば中にはイメージ操作をする子も偶然に出てくるので、その子は考える
力を得ることが出来ます。しかし、これは偶然です。最初から、キチンと「考えるとはどういうことか」を教えれば子供達は100%考えることができるように
なります。偶然に頼って教育をすべきではありません。
思考とは様々な思考モデルを組み合わせて比較検討するものです。この時に使うことが出来る思考モデルの種類の多さが思考の豊かさになります。多様な考え
方が豊かな思考を可能にするのは当たり前のことです。人間が具象物を使って思考モデルを作り出せるのは通常9歳前後までです。そして、9-12歳で、それ
までに作って蓄積していた思考モデルを使って抽象思考をします。ですから、9歳までにどれだけ多様な思考モデルを蓄積することが出来るかが思考力養成の鍵
になります。思考モデルは問題を解ける解けないではなく「どうやれば解けるかな」の「どうやれば」と迷っている時にいかに具体的に迷うことが出来るか、考
えることができるかで決まります。この「具体的に迷うこと」そのものが思考モデルを作っていることだからです。ですから、答えが合っていても間違っていて
もキチンと考えたのであれば思考モデルは出来ています。ですから、思考モデルをキチンと増やすには具体的に迷う・考える事が重要なのです。ところが、頭の
中だけでは漠然としていて自分でも何をどう考えているのかよくは分かりません。そこで、考えていることを絵図で描き表すのです。すると自分が考えているこ
と・考えていないことがハッキリします。また、考え自体も「絵図を見ること」でドンドン発展していきます。これが思考モデルを飛躍的に増加させる効果的な
方法です。「どんぐり倶楽部」の「良質の算数文章問題」を絵図で解く重要な意味がここにあります。
0-9歳の間に思考モデルを作らなければ手遅れになってしまうのに、この時期に思考モデルが何も入っていない暗記や貧弱な計算をさせている教育者や保護
者が大勢います。こうなると、思考モデルは子供自身が生活の中から獲得したものだけになってしまいます。残念ながら、これでは、将来(9-12歳)の十分
な思考力養成に必要な思考モデルとしては極端に不足しています。また、日常生活の中では、殆どが行動で解決できる場合が多いので自動処理されてしまい意識
には残りません。頭ではなく体で(経験で)処理することが多いので意識的な思考とは(視覚イメージを使う点では同じですが)異質だからです。 「どんぐ
り倶楽部」の「良質の算数文章問題」は驚くほど多様な思考モデルを養成できます。同じ問題でも描く絵が違うということは考え方が違うということです。ま
た、間違っても、どんなに時間がかかっても確実に思考モデルは増えていきます。悩みながら絵を描く、絵を見ながら考える、そしてまた絵を描く。どんどん思
考モデルは増えています。こうして思考力の素を作っていくのです。数多く問題を解くことよりも数少なく丁寧に具体的に悩むことが重要なのです。これは、体
験学習などでも同じです。浅いたくさんの体験よりも、少なくても深い体験の方が格段に優れているのです。
12歳までは「ゆっくり・ジックリ・丁寧に」が最も効果的な学習方法なのです。
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