【一粒の麦】
2006年12月21日
塾でどんぐりをつかうようになり、子供たちの目覚しい進化を見るたびに胸がちくりと痛みます。4年前、まだどんぐ り倶楽部を知らなかった頃、小5の女の子が二人入塾してきました。彼女たちはまだ九九を覚えておらず、漢字も2年生程度のレベルでした。「この子たちを 放っておいてはダメだ」とは思いました。
はじめはとにかくど根性方式で取っ組み合いでした(猛省)。陰山式がはやり始めた頃で、
陰山氏の本を読み「とにかくやってみよう」と百マス計算をやってみました。でも・・・どうしてもこれで効果が出るとは思えず、2度で終わり。それからまた書店に通い、出会ったのは向山洋一氏の 本でした。この先生のやり方は陰山氏の「ど根性論」とは異なり、「生徒がわからないのは教師の教え方が悪いから」と言う立場でとても共感できました。そこ で早速ノート指導やネットでの百玉そろばんのサイトなどを取り入れました。ノートは見違えるように整理され、手順をテンポよく指導することで、彼女たちも 小数の割り算が出来るようになりました。毎回九九表を見ながら割り算をしているうちに九九も自然と覚えてくれました。10の補数もすらすらいえるようにな り、足し算のときに使うこともできるように。。。一時期は本当に彼女たちの顔も輝いてきました。でも・・・私の方に徐々に焦りが。どうしても学校で「使え る」ほどに成果が出ない・・・「出来る・できない」を判断基準にしていた私の焦りが彼女たちにも伝わり、「あなたはダメな子」と言うメッセージを送ってい ただろうと今になってわかります。彼女たちが6年生の夏、大豆を生むために産休を取り、復帰してみると彼女たちは塾を休みがちになっており、その後も戻っ てくれませんでした。私が取り入れていた方法は確かにかなりわかりやすいパターン学習法だったと思いますし、そのときは「出来る」ようになりました。でもかかわる人間が変り、また単元が変ると元の木阿弥でした。その単元は出来るけれど次の単元には全くつながらず、彼女たちの中には何も育っていなかったのです。それからまた試行錯誤・・・彼女たちほどでなくても算数の苦手な子たちに「応用力」をつけることはどうしても出来ませんでした。いえ、学校で優秀な子でも全く「応用力」がないのを目の当たりにし、悩むもののどうすれば応用力が身につくか私にはわかりませんでした。
やっとどんぐりに出会えたのが今年の6月です。それまでに担当した子供たちに謝りたい・・・本当にごめんなさい。この子達への懺悔の気持ちを忘れず、がんばってどんぐりを広めようと思います。
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百ます計算からどんぐり倶楽部へhttp://blog.livedoor.jp/taka_okada_hitoshi/
●下記は<抜粋>です。本文は上記HPをご覧下さい。(作者に了解をいただいております)
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2005年12月13日:突然ですが...
突 然ですが、百ます計算をお休みします。無期限で...2004年の7月29日から、ほとんど休まずに続けてきました。「えっ、もったいない」なんて思う人 もいるかも知れませんが、決断しました。前みたいに、タカヒロがやる気をなくしているので、お休みする訳じゃありません。やる気マンマンです。
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2005年12月14日:百ます計算をお休みしたわけ-1
昨日から、1年4ヶ月ほど続けていた百ます計算を無期限のお休みにした。ちなみに自己記録は
足し算の百ます計算:1分18秒
引き算の百ます計算:1分28秒
掛け算の百ます計算:1分50秒
親の私が言うのも変だけど、なかなかいい記録だと思う。百ます計算のお陰で、タカヒロは学校では抜群の計算力を発揮している。その辺は、タカヒロも自信を 持っている。では、なぜ無期限のお休みにしたのか?それは...あることがキッカケだった。それは、1週間ほどまえ、強育ドリル(文章題)をやっている最 中のことだった。書いてある文脈を無視して出ている数字を使って足したり、引いたり、掛けたり、割ったりしていた。それを見て、愕然とした。「ねえ、文章 をちゃんと読んで考えている?」「....」「おまえ、そんなめちゃくちゃなことやっても意味ないよ!」なぜ、このことが、百ます計算をお休みするキッカ ケとなったのか...明日につづく。
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2005年12月16日:百ます計算をお休みしたわけ-2
タカヒロといっしょに百ます計算をやり始めて間もない頃、タイムがどんどん縮んでいくのが楽しかった。立てた目標をクリアーしていくのが楽しかった。タカ ヒロ自身もそれが楽しいらしく、「百ますがおもしろい!」って言っていた。時期は忘れたが、ある時期からあることが目立ち始めた。あることとは、そう、何 か書いてあるのかわからないくらい汚い数字。タイムを少しでも縮めようと、あせって汚くなる。途中、途中で「おまえ、数字が汚いよ!」って怒っていた。百 ます計算を長い間、続けてきたことによって、条件反射的に反応できるくらいに、答えをもの凄いスピードで出せるようになった。1年生のレベルでは、足し 算、引き算、掛け算がそのレベルでできるということは、学校の授業なんかは、タカヒロの言葉で表現すれば、「カルカル」である。しかし、この状態がタカヒ ロに変な薄っぺらな自信を植えつけさせ、考えない習慣を作らせたように思い、ここ数日、百ます計算のいいところ、よくないところを自分自身で整理をしてい た。そして、あるHPに出会った...明日以降につづく。
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2005年12月17日:百ます計算をお休みしたわけ-3
そのHPにはこんなことが書かれていた。(ホンの一部、要点を抜粋)
----------ここから
幼児期の学習でスピードを付けることほど危険なことはありません。単純作業を速くするには何も考えないで作業に没頭する必要があります。また、速い作業を している時に何かを考えようとしても考えられません。つまり、速い作業は考えることを妨害する作用があるということです。速い作業(高速計算)をしている 時には頭の中では「考えるな」という指令が出ているということです。ですから、幼児期に一番注意しなければいけないのは高速学習なのです。高速学習は、条 件反射的に処理することを要求していると同時に「考えるな」という指示を出しているのです。反射とは自動化するということです。自動化は放置すると固定化 します。固定化すると何も受け付けなくなります。これを反射式プリントで考えると「単純計算の高速化(強制反復)→考えるなという指令の繰り返し(自動化 による反射形成)→頭の硬直化→硬直化した頭の固定化→考えることを受け付けない拒絶化(人為的学習障害:ALD)→性格形成や人格形成に影響」となりま す。小学校低学年の時にしなければいけないことは「考える力」と「正しい家庭学習の習慣」を身につけることです。そして「考える力」を養成するためには、 できるだけ条件反射の養成となる高速の機械的反復作業はしてはいけないのです。具体的には計算等でスピードを競うことは最もいけないことです。子ども達 は、面白がってやろうとしますが、害になるばかりです。ここで、いかにスピード競争から思考訓練に移行させることが出来るかが教師の力量なのです。なぜな らば、単純計算のスピードをつけることはいつでもできますが、ゆっくりジックリ丁寧に考えるという習慣はなかなかつかないからです。さらに、考える力のな い子は小4からの抽象概念の世界を理解すること自体が難しくなりますので、全教科で落ちこぼれる可能性が出て来ます。「基礎学力」とは基礎計算を速くした り漢字を暗記することではありません。基礎学力とは、先生(他人)の話をよく聞くことが出来る力、先生(他人)の言葉を理解することが出来る力、抽象的な 事柄をイメージ化出来る力、つまり「考える力」のことです。
----------ここまで
ものごとには必ず裏と表がある。これが私の基本になっている考え方。だから、昨年、百ます計算を始める前にも、ネット上で繰り広げられていた「いい、悪 い」論争を一通り目を通していた。「まあ、よさそうだからやってみるか」「ダメだったら、止めればいいから...」という軽い気持ちがあった。ここのHP を読みはじめてスグに、その安易な気持ちがダメだったのがわかった。さらに、百ます計算の反復徹底と記録を求めるやり方が、タカヒロに、変な薄っぺらな自 信を植えつけさせ、考えない習慣を作らせ、そして、ものごとを丁寧にじっくりとゆっくりとやることを奪っていたのかも知れないという私の思いは、確信に変 わってきた。
ためしにここのHPに載っている「考える力がつく」とされる文章問題をやらせてみた。出来ない。絵図もろくに書けない。タカヒロの名誉のために書いておくが「最レベ」というさんすうの問題集をスラスラ解く実力を持っている。なのに、出来ない。(出来ない問題が多い)私はそのHPに載っている凄まじいまでの量の情報を真剣に読んだ。読めば読むほど、これは、百ます計算をこのまま続けていたら、とんでもないことになるかも知れないと感じた。そして、私に百ます計算のお休みを決定づけさせた、最大の出来事が起こった。(指摘を受けた)それは...明日以降につづく。
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2005年12月18日:百ます計算をお休みしたわけ-4
私に百ます計算のお休みを決定づけさせた、最大の出来事が起こった。(指摘を受けた)その出来事(指摘)とは...それは、今月13日から始まった個人面 談(妻が出席)で、担任からの指摘だった。「タカヒロさんは、友達とも仲良くやっているし、この間のお友達をケガさせて以来、先のことをよく考えて行動す るようにもなりましたし、勉強に関しては人の話をちゃんと聞いて、理解して、的確な答えを出しますし、おそらく、高学年になってもトップクラスでいると思 います」「しかし、もったいないことが1つだけあります」「それは、何でもスグにわかってしまい、的確な答えはするのですが、あせってやるというか、せか せかして落ち着きがないです」「ですから、答えがわかっているのに、ポカッと抜けたり、字とか数字が、バランスが悪いというか、読みにくくて汚いです」 「もうすこし、ゆっくり、丁寧に、じっくりやることを身につければもっと伸びるし、このままだと、能力はAなのに、Bの評価になることもあります」「それ は、本人にとってもショックなことだと思います」「その辺のことをご家庭でも話し合ってください」私はこの話しを聞いたときに、「これって、百ます計算を やっている時のタカヒロじゃん」って思った。(しかし、先生、よく見てるな〜(感心))もともとのタカヒロの性格もあるが、百ます計算でさらにそれが、加 速(笑)したんじゃないかと思った。(百ます計算はそういう要素があると思う)いろいろ考えた結果、百ます計算を無期限でお休みすることに決めた。そし て、今、新しく取り組んでいることは...明日以降につづく。
注意:これは、あくまでもタカヒロでの話しですので、すべての子どもに共通するとは限りません。そして、百ます計算を否定する内容でもないです。
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2005年12月19日:百ます計算をお休みしたわけ-5
今回、百ます計算をお休みするキッカケとなったHPは、考える力・絶対学力を育てる「どんぐり倶楽部」である。ここのHPを読むに連れて、自分が怒られて いる気がした。ここでやってはダメっていうことを、けっこう気合いを入れてやっていたから。(笑)最近、やり始めた文章問題も、ここのもの。やる時の決ま りがある。まとめてやらない。
ゆっくり・ジックリ・丁寧に解く。必ず絵(図)を書いて、目で考える。暗算はしないで、筆算を記録しておく。間違えに気づいても絶対に消しゴムを使わな い。計算ではなく、考える過程が大事なのでヒントはもらわない。どうしても解けなければ一ヶ月後に再挑戦する。たとえ、直ぐには分からなくても「分から な〜い」と言って諦めない。
答えが分からなくても絵(図)は書ける。これからは、ここの勉強を中心に、「ゆっくり・ジックリ・丁寧に」やっていく。個人的には、T.Itoyama氏 のトライアングルナンバーズ→宮本哲也氏の強育パズル→T.Itoyama氏の文章問題(もしくは強育ドリル)をやれば、算数はOKだと思う。今日も、タ カヒロは、
文章問題を笑いながらやっていた。 なぜか?だって、文章問題の内容がウンチだったから(笑)(写真参照)百ます計算を無期限のお休みと書いてきたが、だぶん、ずっとお休みになると思う。だ から、このBlogのタイトルを百ます計算から、何か他のヤツに変えないとな〜。「どんぐり倶楽部」T.Itoyama氏が書いた本をぜひ読んでみてくだ さい。
注意:百ます計算がいい悪いを論ずるつもりはまったくありません。それぞれのご家庭で、子どもにあった方法で学習するのが一番です。
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2005年12月23日:ケーキ
百ます計算をお休みして、今、ゆっくり、ジックリ、丁寧に取り組んでいるのが、どんぐり倶楽部の文章問題。ハッキリ言って、これはいいですね〜。すごくい い。タカヒロも絵(図)を書くことに慣れてきて、その絵も個性ある絵を描き始めている。タカヒロが好きな、ウンコ問題に出てくるフンコロガシなんか、最近 は、本当に味のある絵になっている。古代エジプト人が、糞玉を転がすスカラベを日輪の回転を司るケペラ神の化身としてあがめ、スカラベの装飾品をつくった が、それに似ているからね。(さすが、エジプトが好きなだけある)今日は、おかあさんの誕生日。タカヒロと二人でお祝いのケーキを作った。(90:10の 割合だけど...)生まれて初めて。イチゴのケーキに挑戦!スポンジがうまくふくらまず、生クリームはゆるゆるで、まるで、TVチャンピオンの「料理ダメ おやじクリスマスケーキ創作勝負」に出てきたような、ケーキが出来上がった。(ガッカリ)でも、おかあさんはうれしそうに食べてくれた。タカヒロもうれし そうに食べていた。ハッピーバースデイ。
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スイスで日本語&幼児教育 by helvetia 】:http://plaza.rakuten.co.jp/myjapan/
2007年01月03日
どんなお勉強を子供にさせたいですか? 今日は雨、雪、風と荒れたお天気だった。スイスの祝日も今日で終わり、明日から夫は出社だが、子供たちは8日まで冬休み。お天気が良くなってくれるといい が…。さてレイナは今年の夏から年長で小学校入学までまだ一年半以上あるので、結構ノンビリ&ノビノビ楽しく勉強に取り組んでいるが、小学校に入るお子さ んを持つママ達は結構家庭学習への取り組みを考えているようだ。日本でも同じと思うが。スイスの方が呑気かな。スイスは小学生でも留年はあるし、幼稚園入 園を一年遅らせることも出来る。子供の習熟度や社会性に応じて、適切な環境を与えるということで、留年も飛び級も特別なことではないようだ。家庭学習を検 討している方々の参考になればと思い、今日は3つのお勉強をご紹介します。是非、ご自身で見て考えて下さいませ。子供にどんな力を付けてもらいたいのか、 まずはそこから…。
●Q:どんなお勉強を子供にさせたいですか?

■公文の計算プリント
スイスにも公文教室があって、月謝は110フラン(約1万円)、このプリントは公文をやっている知り合いからコピーを頂きました。やっている子供はレイナ と同じ年の5歳児です。ひたすら計算、数字を書き込む、少し卵やリンゴの絵を数えるプリントもありますが、殆ど単純計算。(私のキモチ:ふひぇ〜、私もや りたくないよ〜。)

■普通の文章問題(1年生、6歳から用)
これはこぐま会の6歳からの文章問題です。市販の文章問題も同じ感じ。想像力は無用で、数字を拾って、あとは日本語を正しく読めれば暗算で解けます。(私 のキモチ:楽しくないなぁ〜、でも日本語の勉強には多少なるか…。でもこの程度の日本語の勉強なら絵本でも読むほうが楽しくて表現力も付くだろうな。)

■「どんぐり倶楽部」の文章問題

====写真のどんぐり倶楽部、文章問題===============

<0MX56>  月  日(  )
 とびうおが すきな びっくりばこの なかには たまごが 4こはいっています。そして、その たまごのなかには 3このひかるいしが はいっています。では、びっくりばこのなかには なんこの ひかるいしがあるのでしょう。
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<0MX52>  月  日(  )
 こぐまの はちみつが 3こ なくなりました。のこっているのは 8こです。では、なくなるまえには なんこ あったのでしょう。

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レイナの絵の説明
◎飛魚はTVでちょっと観た事があるが、よく知らないが想像で描き始めた。”大好きなビックリ箱をもらった飛魚たちは嬉しくてニコニコで飛んでいるの♪”とか。
◎”棚に置いてあった熊のハチミツが3個なくなっちゃたの。持って行ったのは蜂たちなの。でもハチミツはホントは蜂が集めたものだから、3個持っていかれても熊は怒らないでニコニコ笑ってるの。”とのこと。
こんなイメージが頭のなかで浮かんでいるんですね。絵を描いて、ちゃんと答えを導き出しています。視考力&思考力、想像力&創造力が子供にはとても大切だと思います。いかに豊かなイメージを頭に描けるか、が今後の学習や社会に出ても大切だと思います。