索引】学習塾・エキスパートさんのHPより抜粋(一部追記してあります)
どんぐり文章問題について...
塾で「どんぐり文章問題」を小学生の算数授業の主な教材に使用して早4年が経つ。
ここらで一度、このどんぐりの文章問題なるもの、いかなるものか考えてみよう。この問題集の構成は年長用から小学6年生まで、各学年100問ずつ、計700問からなる。かなりの数であろう。
しかし、パターン学習に陥る危険性を排除するため同類の問題を削除すると年長組みは98問、小学生1年は66問、2年生は62問、3年生は68問、4年生は54問、5年生は68問、6年生は78問となり、総問題数は約500問。
年長用のどんぐり文章、んー、はっきり言って、年長児には難しすぎるでしょう。
私の塾でもこの4年間で年長児でこの問題に対応できたのはただの一人、その子は家でもお母さんが一生懸命言葉を教え、漢字を教えていた教育熱心な両親の子。普通の年長児の子たちにはこの問題はさっぱりわからないでしょう。あえてこのレベルの問題を年長用としている意図、私にはわからない。
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●ふふふ、
...読み聞かせの効用(楽しく学習するにはどうする→読み聞かせが必要になる場合が多い...ここに気付いてもらいたい)
...親子関係の修復(「させてる・させられている」関係では上手くスタートが切れないようにしてある)
...長い文を理解するときの手順の発見...一文ずつの処理
...計算では出来ない問題を意識する
...考えるとはどういうことか・問題を解くとはどういうことかの体験
...「一文→絵図化:一文→絵図化:一文→絵図化:の力」の確認。
...読解力を軽く凌ぐ力を意識する。
...主に保護者・指導者の為に仕組まれているのが年長さん問題です。<させる>では上手くいかないようにしてある。
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塾では小学1年生に年長用の文章問題からスタートしている。年長用から小学6年生用までの問題を見ると年長用が一番面白い一つ一つの言葉からいろいろなことを想像させてくれる。「空飛ぶお魚さん」「ありんこのリンコちゃん」「虹色の風船」「寝ぼすけのアサガオさん」「カエルの夜回り君」、など与えられた言葉からいろいろなことを想像し、そのイメージを子どもたちがそれぞれにノートに描きそして問題文にそって絵を描き加えていく。「〜より多い」「〜より少ない」「〜の半分」「〜の2倍」これらの言葉の意味をどうしたら絵図に表すことができるのかあーでもないこーでもないと悩み(楽しみ)ながら絵図を描くこの作業を通じてしっかりと「視考力」が身についていく。算数文章問題を解くってこういう作業をしていくことなんだということが自然と身につくその意味においてはこのどんぐり文章問題年長用は良問と言える。あと忘れてはいけないことは「視考力」に学年は関係ないということ。計算力と「視考力」との間には何ら関係はない。このことをしっかりと頭においてこの文章問題に取り組まないといけない。当塾では100問あるところを66問に編集して使用同じ解き方で解ける問題をカットしていくと自ずとこうなってしまった。年長用の問題に比べて簡単だという声を子どもたちからよく耳にする。しかしこれは問題が簡単なのではなく君たちがいろいろな言葉を理解していっている証拠です。言葉の意味が正しく理解できるようになったから1年生用の問題文が簡単に見えるだけであって、何も問題の質が簡単になったわけではありません。「〜より多い」「〜より少ない」「〜の半分」「〜の2倍」こういった言葉の意味をイメージでも正確にできるようになった証拠でしょう。「視考力」子どもたちのこの能力の成長を見るのは楽しいほー、こんなことを考えられるようになったのか、ヘー、そういった考え方もあるのか、掛け算を知っていたら簡単な計算を図を描きながら足し算で何とか工夫して解く割り算の仕方を知らないので図を利用して引き算で解く学校で習っている習っていないそんなこと関係ありません。言葉の意味を理解できるかできないかが勝負理解できていればそれを絵図に表すことができる、できなければいけない。この練習これが大切この4年間で1年94番のCD飛ばしの問題、ノーヒントで解けた子どもは今まででただ一人(小学1年生)。小学1年生でこの問題を解ける子どもと出会えるのは次はいつなのか楽しみにしている。
2年生62問、3年生68問
解き方の基本は同じ。ただ数字が大きくなったり小さくなったりして計算がややこしくなるだけ。正しく絵図さえ描ければ解ける。ただその絵図が正しく描けない。その練習をしていると言える。この学年の子たちによく言うセリフ「書かれている言葉通りに絵図を描きなさい。それができればなんでもない問題」と。しかしこの作業が子どもたちには難しい。小学1年、2年、3年でこの「視考力」の使い方を習得した子たちはこれからが楽しみ。高学年になってからの抽象的事項がぐっと増える学習にも難なく取り組めるはず。
「どんぐり文章4年生用」ぐっと問題数が減って54問
年長用から小学3年生まで出題された同様の問題をカットするとこの問題数になった。必ずしも百問なければならないという訳もないのでこんなもんでしょう。小学4年生になって初めてどんぐりの文章問題にチャレンジする子は最初戸惑う。当り前と言えば当たり前。問題文に出てくる言葉「ヒカルピョンって何?」「ニョロって誰?」「デンデン小学校ってどこ?」現実的な算数文章問題にしか出会っていない子どもたちはいろいろな言葉で表現された問題文に抵抗を感じ、またその問いの複雑さに拒否反応を示す。しかし1年・2年・3年とこのての問題をやってきた子たちは楽しんで問題を解こうとする。
この差はどうして生じるのか。想像し工夫することの楽しさを経験したかしていないかの差か。それとも、そもそも算数文章問題というのは、単に答えを出せばいいと思っているのか、そう教え込まれているのか。しかしどんぐり問題をやってきている子は違う。楽しむことを優先する。そしてその先に答えが出れば言うこと無し。その違いかもしれない。また4年生ぐらいになると
この子はどんぐりの文章問題にあっているかあっていないかも見えてくる。向き、不向きはやはりある。それはそれで仕方がないどんぐりの文章問題も万能薬ではない。そのときはその子にあった算数文章問題を提供するだけのことである。個人的に言えばどんぐりの文章問題は解ける子になってほしい。
5年生になると(68問)、割合を絡めた問題、連立方程式の問題が新たに加わる。
6年生になると(78問)、割合の問題、比の問題、速さの問題が追加される。
中学生になるまでに割合・比・速さの問題をクリアしてほしい。その願いが込められた問題構成になっていると言える。
以上
年長用から小学6年生までのどんぐり文章問題約500問絵図を描いてこれらの問題に取り組んだ子どもは中学生になっても数学には困らないと言える。