総索引<緊急:小6同級生殺害事件>→■■
早期教育を支える貧弱な理論
IQ130以上も異常ということを知っていますか?
漢字認識困難な場合の対策
参考:→★小脳の働き:小脳の認知モジュール★キャッシュ
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頭の健康診断はコチラ:年長〜小6:中学生は小5-6を使って下さい
*今の学習形式がお子さんに合っているかどうかも診断できます<診断表>*
※ご自由にお使い下さい<転載可:添削例の転載は御相談下さい>

慣れさせることの危険性
<重要:発育の大原則>→★★★

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<知的早期教育・能力開発について>
●人間の歯(頭の一部)が乳歯から永久歯に生まれ変わるように、人間の脳は乳脳から永久脳へ生まれ変わります。乳歯は構造は同じですが永久歯とは性能が違います。乳歯は永久歯とほぼ同じ働きをしていますが永久歯が出来るまでの代用品に過ぎません。どんなに鍛えても乳歯は消滅するのです。ですから、乳歯は鍛えるのではなく永久歯がしっかり生まれてこれるように健康を保っておくことが大事なのです。乳脳も永久脳とほぼ同じような働きをしますが、視考力(イメージの移動・変形)が未熟なので、代用としてイメージの再現力(幼児期の特異な優れた記憶力は視考力の代用なのです)を多用できるようになっています。
 ところが、この能力(2歳児を天才だと思う人が多い理由もココにあります)は、イメージの移動・変形をする力(視考力)の熟成を終える時期までの代用能力なのです。ですから、幼児期の優れた記憶力は才能ではなく自然な代用品なのです。また、消滅する(視考力にバトンタッチする)のも自然なのです。
消え去ると分かっているものを、優れているからと鍛えても害になるだけです。永久歯が6歳から生え始めて12歳で完成することも永久脳の成長と符合しています。※五感のイメージの移動・変形についても考えました(触覚思考・味覚思考・嗅覚思考・聴覚思考・視覚思考)が、やはり格段に優れている(再現性・確定性・移動変形が簡単である)視覚思考が人間本来の思考力のようです。
※視考力(イメージの移動・変形)は理解・予測・類推・発見を促します。
●永久脳の育て方:人間が人間たる所以は抽象思考が出来るからです。この力がなければ人間らしい予測や判断はできません。意識的に未来を生きることが人間の証なのです。では、なぜ人間は、抽象思考が出来るのでしょうか。それは、正常であれば、12歳までに小脳でのイメージ操作(移動・変形・連想・判定)機能が発達するからです。それまでは大脳が具象物を抽象化する(イメージ化)練習をしているので、こちらの力(反射的記憶力)が優れていますが、小脳での思考(イメージ操作)が出来るようになると、反射的記憶力に使われていたエネルギーは思考に回されることになり、外見的には反射的記憶力が劣ってくるように見えます。しかし、これは自然なことであり、この過程(乳脳から永久脳への生まれ変わり)がなくては正常な発達はできないのです。二才児が天才に見えるのは普通のことなのです。条件反射的記憶力が優れているのはイメージ化の練習をたくさんしているからに過ぎないのです。ですから、この力は年齢とともに消え去る運命にある力です。また、自然にプログラムされている時期に消えなければ永久脳の発育に支障をきたしますので、この力を才能と勘違いして鍛えてはいけないのです。いつまでも(時期はずれな時まで)使ってはいけない力だということです。そうでないと、人間本来の永久脳が健全な発達を妨げられてしまいます。まさに、乳歯が適当な時期に抜け落ちないと永久歯の発達に支障をきたすことと同じです。
<参考:吸収期:9歳を前後に3年間:6歳〜12歳>
乳歯だけにある時期です。永久歯と入れ替わるために、「破骨細胞(はこつさいぼう)」という細胞が現れます。これは文字通り、骨を壊す細胞です。乳歯の根のところを吸収していき、永久歯が出てこられるようにするのです。だから乳歯が抜けたときは、歯の頭の部分(歯冠)しか残っていないのです。
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●記憶力のいいときに出来るだけ大量に記憶させようという浅はかな考えを持っている教育者や保護者がいます。あるいは、幼児期の優れた記憶力を持続させようとする人もいます。これは「もったいないから乳歯を鍛えてそのままずっと使おう」ということです。もちろん、これは永久歯の邪魔をしている不自然で有害な考えです。これでは、どんなに永久歯が健康で順調に育っていても強力な乳歯が邪魔をしていては永久歯は出て来ることはできません。出てきたときには歪な形になっています。生え替わる自然な時期というものがあるからです。知識の集積は思考には発展しません。要注意です。材料だけでは何もできないのです。→「分かる」ということ・「考える」ということ・「判断する」ということ
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<重要資料>
央教育審議会
1998/01/29議事録
幼児期からの心の教育に関する小委員会(第11回)議事録
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幼児期からの心の教育に関する小委員会(第11回)
議事録
平成10年1月29日(木)13:00〜15:00
霞が関東京會舘34階ロイヤルルーム
意見発表者:汐見稔幸氏(東京大学助教授)
>>抜粋……………………………………………………………………………………………
この点で、早期教育の提唱者の一人で、最も大きな影響力を与えてきました
井深大氏がある反省を書かれているのが大変参考になります。6ページ目を御覧になっていただきたいと思います。これは大変なベストセラーになりました『幼稚園では遅すぎる』という本からコピーさせていただきました。この本は、その後、早期教育の業者がほとんど基本としている本でありまして、相当な数が出たと思います。その中に書かれていることの中で、私は9割ぐらい現在でも通用する非常にいいことを書いてあると思うのですが、1割ぐらいは少し気になるわけです。
例えば、上の段の最初、12項目目に「三歳までの子どもの頭脳は、どんなにたくさんのものを詰め込んでも平気である。」というテーゼがございます。
後ろから4行目、「したがって、『与えすぎ』などということは、すこしも心配する必要はないのです。」、どんどん与えろということがここで書かれています。
下の段に移りますが、93項目目、「二歳までは『教育ママ』おおいにけっこうである。」と書いてあります。
後ろから4行目を御覧いただきたいんですが、「二歳まではきびしい『教育ママ』に、それ以後はやさしい母親に、これが幼児教育にとって理想的な母親像といえましょう。」という言い方をされているわけです。
これが意外と入っておりまして、「2歳までは厳しくっていいんでしょう、先生」という御質問が非常に多いです。「言うことを聞かないから、パチッと体罰をやっても、それは記憶に残らないから、2歳ぐらいまではいいんでしょう。いつになったら体罰はだめなんですか」という質問が時々ございまして、「どこでそういうことを聞いたんですか」と言わざるを得ない現状があります。
その井深さんが、幼児開発協会というものをつくられて、実験的な教室をつくられたわけです。そこでゼロ歳児を育てるお母さん方に来ていただいて、子どもにこういうカードを覚えさせてくれとか、いろいろ実験的にやってこられたわけです。それから20年たちまして、1990年4月29日の朝日新聞(1990年.4/28夕刊)に、資料の7ページを御覧いただきたいと思いますが、「幼児開発協会20年の経験」ということで、ある文章をお書きになっています。それをそのまま私が打ってきたのですが、下線部分を御覧いただきたいのです。
「いろいろやっているうちに、本当に必要なのは知的教育より、まず、『人間づくり』『心の教育』だと気付いた。学校では落ちこぼれ、暴力、いじめが頻発している。心を育てるには、学校教育だけではなく、母親の役割が何よりも大切であり、子どもの方も幼稚園どころか0歳児、いや胎児期から育てなければならないという考えに代わってきた。」「赤ちゃんの温かい心づくりと、生まれた時からの体づくりが、何よりも重要で、知的教育はことばがわかるようになってから、ゆっくりでよい、という結論になった。」。
これはその前の本とかなりトーンが変わっていまして、最初は厳しいママになりなさいと言っていたのですが、最初はむしろ逆にやさしい母親になりなさい、それが大事だということがわかって、
知的教育はゆっくりでよいということがわかったと。こういうふうに井深さんがおっしゃっているのは、実はあまりに早くやると、非常にまずいケースがかなりあったということがあるんだと思うんです。そのことははっきりお書きになっておりませんが。
そういう意味で、井深さんは正直にお書きになっていただいてよかったと思うんですが、私は、やっぱり
小さいころに子どもが本当にやりたがっていないことを無理にさせることの影響が非常に心配です。
次に、8ページをもう一度御覧いただきたいのですが、このグラフを御説明いたします。これは私の知り合いで、こういうことを調べている方が、家庭教育研究所というところで、そこに来ている3歳の子どもたちの親にアンケートを取ったのですが、100人ぐらいの子どものうち、既に4歳になっている子もいますが、3歳児段階で「あいうえお」が大体読めるという子どもが10数名いつもいるのです。その子どもたちを毎年集めましてデータを取りまして、3歳段階で既に文字が読める子どもの中で、その習得のプロセスが大きく二つのタイプに分かれることがわかったわけです。
一つは、母親が絵本を読んでやっているうちに、いつの間にか「これ何?」「あれ何?」と言って覚えてしまった子どもです。もう一つは、母親がカードを買ってきたりして、意識的にフラッシュカードのような形で覚えさせたという子ども、このようにはっきり分かれることがわかったんです。
ここで書いてある「T」は「体験認知型」といって、自分でいつの間にか体験的に覚えてしまった。「P」は「パターン認知型」といって、パッパッと示して覚えさせたというものです。その子たちに分けて、3歳6ヵ月の段階で、「情緒性」「自発性」「運動性」「認知性」「言語性」「社会性」の育ちについての一つのオーソライズされた調査がございますので、それを親に書いてもらったわけです。そういたしますと、どの項目でも、子どもの育ちに差が出てきている。
例えば、3歳段階の「情緒性」を見てみますと、「気分の安定」というところでは、「T」型の子は大体90数%ですが、「P」型の子は70数%という形で、
基本的にほとんどの項目で例外なしに体験認知型の子どもの「情緒性」「自発性」「運動性」「認知性」「社会性」の育ちが総じていいというデータが出ております。
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