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教育再生の具体的方法:ヒトを人間に育てる3つの力の育て方
〜感味力を守り、視考力を活用することで無理なく教育を再建する〜
 人間の性成熟年齢は12才です。1999年に英国で12才の少女が出産しています。子孫を残せる状態になる年齢とは進化の証である最も発達した(最終的 に獲得した)適応能力の機能的発達が終わる年齢でもあります。人間では「人間的な判断力を含む思考する機能・思考力」の発達(組み立て)が終わる年齢だと いうことです。つまり、人間では12才が機能的な思考力養成の臨界期なのです。
 従って、12才の前と後では、教育方法は異なっているのが当然です。人間であるための高度な思考養成に必要なのは知識やスピードではなく、多種多様な思 考回路(思考モデル)です。そして、知識やスピードは十分な思考回路を育て上げた後で、その回路を応用するときに与えるべきものです。この順番が逆になっ ていたり、同時並行的に出来ると考えていては失敗してしまいます。「できる」という結果ではなく「分かる」という過程そのものが大事であるのは、道徳的な ことではなく思考力養成には「分かる学習」の過程でしか獲得できない様々な思考モデルが必要不可欠だからです。様々な思考モデルは「具体的に悩むこと」に よってのみ修得できます。ですから、答えではなく過程が大事なのです。子供に自信を持たせるために「できる」ようにする教育方法があるようですが、大変お 粗末な教育方法です。「読み・書き・計算」をどんなに徹底しても、暗記は「一対一対応」の再現練習ですので再現するという1種類の思考モデルしか使いませ んし、新しい思考モデルを作り出すことは不可能です。また、計算に使う思考モデルは「10の補数と九九」しかありませんから、どんなに高速に多量の計算問 題を解いても、思考力の素になる多様な思考モデルは獲得できないのです。
 思考モデルを飛躍的に増加させる効果的な方法は、視考力養成のための工夫満載の「良質の算数文章問題」を絵図で解くことです。絵図を参考にして解くのではなく、絵図そのものを使って目で考えて解くのです。
 頭の中だけでは漠然としていて自分でも何をどう考えているのかよくは分かりません。そこで、考えていることを絵図で描き表すのです。すると自分が考えて いること・考えていないことがハッキリします。また、考え自体も「絵図を見ること」でドンドン発展していきます。数多く問題を解くことよりも数少なく丁寧 に具体的に悩むことが重要です。この方法だと先生の力量には関係なく、読解力も計算力も創造力も同時に無理なく楽しく育てられるのです。既に年長〜小6の 各100題があり、稼働しており効果を発揮しています。
 ゆとり教育は失敗しましたが、それは理念や方向性が間違っていたからではなく効果的な手法を見つけだせなかったからです。教育再建に必要なのは確かな理 論だけです。確かな理論があれば効果的な手法は自ずと導き出されます。お金も時間も人手も今のままで十分です。感味力と視考力を使えば学力増強も兼ねた豊 かな教育が可能だからです。感味力とは感じ味わう力です。感味力は体験を深く分析し、再現するためのマルチインデックスデータベースを自動的に作成しま す。視考力とは記号(文字や言葉が中心)を引き金にして視覚イメージの再現・操作・選択をする能力です。特に言葉から明確なイメージを再現する練習は万能 基礎学力を育てます。
 盲点実験でも明らかなように人間の視覚は優れた類推機能を持っています。この機能は平面を使った立体構築、動態予測、さらには思考そのものであるイメー ジ操作を可能にしている人間の得意技です。この人間の得意技を意識して教育に活用することで教育再建は確実にできます。視考力は全教科で効果を発揮しま す。頭のコントロール(思考)も体のコントロール(運動)も視覚イメージが大きく関与しているからです。視考力活用教育は、現行の制度を変えることなく、 受験勉強も含めたあらゆる学習に絶大な効果を発揮し、感性豊かな本当の学力である高度な思考を容易に養成可能にします。
 さて、教育の第一義は「抽象思考に必要な準備を進めている進化途上の発達未完了な乳脳を持つヒト(子供)を正常に発達が完了した自在に抽象思考が出来る 永久脳を持つ人間(大人)に育て上げること」です。正常な永久脳が持つ高度な理解力・深い思考力・人間的な判断力(上記3つの力を合わせて「高度な思考」 と呼ぶ)を育てることが基礎教育なのです。また、永久脳に必要不可欠な人間らしい判断力は、健全で安定した感情に支えられた正常な違和感と適正な恐怖感が なければ成立しないので、感情教育も学力養成の一部と考えます。
 以下に、高度な理解力・深い思考力・人間的な判断力とは具体的にはどんな力であり、いつ、どのようにして育てるべきなのかを述べます。
1:「理解する」とは、乳幼児期に体験から得た原形メージを使って、記号(主に文字・言葉)からイメージを再現することです。見えるようになることが「頭で分かる」ことです。また、再現したイメージからの感情再現まで出来ると「体で分かる」ことになります。
2:「思考する」とは、再現イメージを使ってイメージを操作(移動・変形・連想・比較)することです。確かなイメージを操作することが「頭で考える」とい うことです。操作イメージからの感情再現まで出来ると「体で考える」ことになります。普段、私達が行っている「漠然とイメージすること(視考力のほんの一 部を使用)」と「明確なイメージを再現して利用したり操作すること(視考力の活用)」とでは応用力が全く異なりますので、視考力を自在に使う練習が必要な のです。
3:「判断する」とは、操作イメージ(結論)から再現した感情と記憶にある感情との比較をし、恐怖感も含む違和感と納得感を判断基準とした行動決定(イ メージ選択)のことです。従って、判断基準となる確かな感情がなければ判断は論理的思考結果と直結してしまいます。論理的思考は、その思考に使われる理論 がお粗末(幼稚)だと導き出される結論=悲惨な行動となります。
●元来、ヒトにプログラムされている人間となるべき脳内進化の臨界期までに脳内進化をさせてもらえずに未成熟な乳脳のまま、パターン学習(徹底反復)を利 用して得た高度な猿真似力で対処してきた子供大人は、結論は出ても人間らしい判断が出来ずに結論=行動となる短絡的行動をとります。
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●年齢・学年別教育概要
・0-3才・3-6才:健全な感情(健全な違和感を守る:見せない教育↓12才まで↓確かな違和感になるまで守り続ける)
※育てるのは喜怒哀楽の哀楽。喜怒は控えめに。
※人間らしい判断にはこの時期の正しい感情教育が必要なのです。
この時期の一時的な記憶力の優秀さは様々な思考モデルを作成するための能力であり暗記や高速反応をするための力ではありません。ここを勘違いしてしまう と、してはいけない時期にしてはいけない学習を強要し正常な永久脳への成長を阻害します。様々な思考モデルを作るべき時期に、その能力を使って思考モデル 作成にはならな単純作業の反復をさせられてしまうと、当然、貧弱な思考モデルしか使えない貧弱な頭になってしまいます。
●就学前:確かな感情教育※小5-6で必要:感味力養成
●小1-2:感味力保持:理解力養成↓再現練習
●小3-4:理解力保持:思考力養成↓操作練習:理論的思考を出来るようにする※具象から抽象へ
●小5-6:思考力保持:判断力養成↓選択※理論的結論をそのまま選択するのではなく確かな感情に裏打ちされた健全な違和感を使って人間的な判断を出来る ようにする。この時期を疎かにすると短絡的思考結果を行動に直結させてしまう。人間としての確かな判断基準作成時期なので、ここに中学受験の時間を入れる のは非常に危険です。中学受験準備(特に暗記とパターン学習)が短ければ短い方がいいのは人間に仕上げる人間的判断力養成時期に重なってしまうからです。
●判断力の養成(正しい自分の判断基準作成)が終わる12才までは見せない教育が大事です。
§具体的な再建方法
●「言葉のトリガー理論」の理解、視考力を活用した指導、「分からん帳」と「受験科」の正規導入で事態は一変します。何の負担も変更もなく豊かな感性と本 当の学力を育てることが出来ます。社会への対応の仕方も高校受験を利用して体験できますので、進学する場合にも社会に出る場合にも効果的です。
§危険な思い込み(致命的な勘違い)
§小学校での「できる評価」の危険性
§感情教育・12才までは「見せない教育」も大事なのです。
§「危険な予習」と「絶大な効果を生む準備学習」
§形だけの勉強習慣は危険です
●視考力養成理論を導入することで全科目で同じ目標(視考力の活用と養成)を設定できますので、指導方針も統一できます。
●視考力を活用することで、多種多様な思考モデルを最も効率的に作り出すことができます。しかも教科に関係なく同じ力を使ってできるのです。例えば「算数:式の変換」「国語:行間を読む」計算は、三角視算表、指折算(体感計算)、小1からの筆算で十分です。

● 今までは統一理論(全教科に共通して育てるべき力とは何かという意識)がなかったので科目間でのスムーズな連携が出来ませんでしたが、このようにイメージ 再現・操作が全教科に共通の力を育てるという統一理論が在れば全科目を通して一つの力の養成が可能になります。小中を繋ぐ具体的で効果抜群の学習方法は 「分からん帳」作成です。学力の架け橋。特に「言葉↓イメージ再現」は中心となる大きな核です。この「言葉↓イメージ再現」が確実に出来る(明確なイメー ジ再現ができる)とどのような表現も瞬時に出来るようになります。変換すべき素のモノが確実に見えている場合は表現方法は無限に出てくるからです。
●計算は思考ではなく作業なので思考力養成には全くならないし、作業は手順の反復なのでいつでも修得可能ですから小学校での習熟は不要なのです。反対に、 考えるには幼児・児童期に小脳に蓄えられた多種多様な思考モデルが必要なのですから多様な思考モデルを作る時間は絶対に必要なのです。
●思考力養成で大事なことは、言葉を知る前には豊富な原形イメージを体験吸収させることでデータベースを作り、言葉を扱うようになったら言葉からのメージ 再現を丁寧にする時間を与え、イメージ操作(イメージの移動・変形・連想・比較)を楽しむことです。こうすることで高度に抽象化された記号を自由自在に正 確に操作することが出来るようになるのです。
●「視算の力」絵図は「気付き学習:脳内進化」の宝庫です。
23-8=5*3
「にじゅうさん ひく はち は ご かける さん」って言える?
確かなイメージ(絵図を描いてもいい)があれば簡単。
●手の指の絵図を使う(実際に手を描いてよ〜くその絵を見る)と簡単に出来ます。数式は意識しません。絵図の移動・変形・連想・比較だけです。これは思考 (イメージの移動・変形・連想・比較)そのものです。ですから、視算は思考力も養成できる唯一の計算方法なのです。
●計算ならば暗算を代表とする応用の利かないスキルアップ(習熟)ではなく応用の利く基本である筆算を丁寧に正確に出来ればいい。こうすることで反射思考 の弊害(副作用)を最小限に抑えられる。タイミングを見誤ったスキルアップ指導は確実に子供の頭の進化を妨害し短絡的思考を助長する最も危険な行為とな る。
●大事な大事な指折算・体感計算
●感味力を育てる-全教科で視考力を活用する-「分からん帳」導入で小中を連携させる
●「受験」という教科を設定する。分析演習とプランニングです。相手の分析・自分の分析・対策・計画・演習・本番・反省・修正・再演習※「結果は次のプランの材料に過ぎない」ことの実感・高校受験という体験学習…………………………………………………
●形だけの小中一貫ではなく具体的な繋がりを持たせるには「分からん帳」が有効です。「質問ノート」や「間違い記録ノート」
として初見で解けなかった問題(教科書もテストも全てを対象とする)だけを、書き写すのではなくコピーして(切り抜けるものは切って)貼り付けた自分専用の弱点を集めたノート(問題集・参考書に変身する)
小6は「分からん帳」推敲学年です。思い出作り学年ではありません。
■試案■小学校・中学校
※学習方法「分からん帳」
※小5の夏までは速さを求めない。
※小6では「分からん帳」演習を兼ねての総復習をする(終わらなくてもいい)
※テストは虫食いではなく全ての重要事項をテストする↓努力を正確に反映させる。取り(確認)こぼしのないテスト↓「分からん帳」に入れておくとテストだけで全範囲での個人の弱点ノートが出来る。
■小中の架け橋としての「分からん帳」
中1:「分からん帳」で個人(全生徒)の本当の学力、具体的な弱点、自己評価、家庭内位置、などが具体的に分かり、すべきこともハッキリする。授業の組み立てや進度の検討、誰に注意すべきか、等も見えてくる。
中2:「分からん帳」を中学用に作成する長期休みのテキストも利用する
中3:「分からん帳」を消化する。仕上げは高校受験。高校受験を利用して材料集め、分析、対策、計画、実行、反省、再計画、実行、仕上げ。を体験する。この方法が社会での戦い方の基本となる。進学を希望しない者も受験はする。
●12才以前の危険な勘違い
1:早ければ早いほどいい(先取り:予習)×↓進化妨害をする最悪の「予習」と進化を加速する最良の「準備学習」の違い
2:速ければ速いほどいい(スピード学習)×↓考えない頭を育てる応用の利かない「高速計算練習」と考える頭を育てる応用自在の「視算」
3:多ければ多いほどいい(知識の集積が思考になる)×↓単純な思考モデルの反復でしかない「知識の集積」と多種多様な思考モデルを作成する「味わい学習」
4:処理速度(結果にたどり着くの)が速ければ判断力がある×↓正常な感情に基づく健全な違和感がなければ人間的な判断はできない。
●貧弱な評価基準に合わせた力の養成は貧弱な力しか養成できないのは当然です。同様に表面的な力しか評価できない基準に合わせていると表面的な力しか養成 できないのは当然です。どんなに優秀だと評価されても評価基準自体がお粗末では実態のない飾りにすぎません。
●「分からん帳」は担任の交代・学年間の連携・小中の架け橋・転校時のサポート・日本全国不変の評価・完全個別サポートなどを一瞬で何の苦労もなく可能にします。
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「分からん帳」という学習方法
 あらゆる種類の学習形態に対応できる最も簡単で最も効率的な学習方法とは未消化部分を具体例を添えて記録される「分からん帳」作成です。なぜなら、勉強 が出来ないといわれる子供達の決まり文句である「分からないところが分からない」「何を勉強したらいいのか分からない」が何の苦労もなく「ココが分からな い」「コレを勉強すればいい」となるからです。
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「分からん帳」の作り方と使い方 
■材料:
・問題集(学校の教科書・宿題・テスト・塾のテキスト・宿題・テスト・家庭にある学習教材など、何でも結構)※裏に印刷されていないプリント形式のものが最適(同じ問題集を2冊用意してもいい)
・方眼ノート
・ハサミ
・ノリ
■作り方:一回目に解いた問題で、間違った問題を切り抜いてノートに貼り付ける。切れない場合はコピーする。書き写さないのがポイント。
ただし、二度目に解いて正解になったり、ヒントをもらって正解になったりしたものも含めます。コレだけです。
■「分からん帳」の効用
・一度やった問題はなかなかやる気が出ないが、作り直してあるのでやる気が出る。
・勉強したくない時でも作業なので作れる。
★学力に応じて自動的に内容が変化し、一人一人にピッタリの問題集が出来上がる。
・分からないからといって一つの問題で止まってしまい先に進めないということがない。・一人一人の弱点(未消化部分)が一目で分かる。保護者にも一目瞭然。
★「分からん帳」を提出することで添削(個人指導)を受けられる。
★添削を見れば、先生の指導の指導も分かる。
・未消化問題を「分からん帳」に集めることで、未理解部分の共通点が見えてくる。
・テストの点数が関係なくなる。
●予習ではなく準備学習を十分に行うことで爆発的な学力の伸びが期待できます。
●年長から小6までの学年毎に100題(合計700題)を使える状態になっています。
「言葉で〜」「絵図で〜」「計算で〜」は非常に危険です。右足を鍛えて、左足を鍛えれば両足で自在に歩けるかというとそうではありません。両方使うには両 方を同時に使う練習が重要なのです。言葉、イメージ、計算を視考力という万能力で同時に使わなければ効果的な学習は出来ないのです。
●学力判定の基準にしてはいけないもの
1:IQ
2:脳の活性化(大脳)
3:スピード
4:暗記・暗唱・高速計算
●小学校
・評価基準の変更:「分からん帳」の作成度
・感味力の評価(感想で分かる)
・視考力の評価(絵図で分かる)

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●本質的学校改革(試案:2003「絶対学力」原稿割愛部分)●
 文部省は個性の尊重という名の下に学校における子供たちの個 性を肥大化させてきました。その結果、教室内で今までは1人で1平方mの個性だったのが4平方mの個性になってしまいました。学校の教室は今も昔も48平 方m、そして1人の先生の統率力の有効範囲も48平方mです。したがって、全国的に落ちこぼれや学級崩壊や学校崩壊が起きているのは当然の現象です。現在 の子供たちが正常な状態で教育を受ける事ができる人数は48÷4となり、その答えは1クラス12人です。つまり、1クラス12人体制をとれば学習内容を劣 化させることもなく教師の力量を問うこともなく指導に支障は生じないということです。もちろん財政事情もあるでしょうから慎重に考える必要はあるでしょ う。しかしながら、この人数ならもっとも大切な集団授業の基本となる「学習のしつけ」が可能となるのです。実は、この「学習のしつけ」が個性の肥大を押さ え集団授業を可能にする秘密なのです。学習習慣がつく小学校の低学年で小人数制を取り入れて集団授業に適応できるような「学習のしつけ」をすれば高学年で は50人でも60人でも正常な学級運営が可能になるのです。現行のように全学年同じクラス人数というのは準備体操をしないで、いきなり海に飛び込むような ものです。ゆとりの教育とは学習内容を劣化させることではないはずです。手間をかけるべきときに手間をかけられるような環境を作りあげることが大切なので はないでしょうか。
 そこで、9年間の義務教育の時期に何をすべきかです。それ は、知識を植えつけることではなく、本当の意味で自学自習ができるようにしつけることです。これは教育のプロがすべきことです。とくに、学習項目が少ない 小1〜小3にしなければならないことです。具体的には「考える問題を出し、考え方を示して(ここで文章を絵図にする)、考える習慣(絵図を使って考える 力)をつける」「分からん帳」を使って効果的な家庭学習方法を身につける(身内である親ではなく、他人である先生を使って疑問を解明する習慣をつける)」 「言葉による多様な体験をさせて言葉での体験学習を楽しませる」「発達段階に沿った内容と応用のきく深い学習をする」
 では、どうすれば今すぐにこれらのことが実践できるでしょうか。こうすればできます。

■今すぐできる教育改革■
 私は数人から数百人を一つの教室で指導した経験もあります。何度言っても指示通りに出来ない子から中3で大学入試の問題をスイスイ解いてしまう生徒まで指導した経験もあります。
その中から生まれた改革試案を書いておきます。参考になれば幸いです。

■小学校□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【クラス編成】
学年別に人数を変えて全体でバランスをとる。高学年での集団授業と内容に対応できる習慣と学習方法を身につけさせる。
・小1(10人)【礼儀・団体行動・読み・書き】数の構造・10の補数の説明(三角視算表)
       ※学習方法「分からん帳」を教え込む。
       ※出来ることではなく分かることが大切であることを理解させる。
・小2(20人)【加減】視考力の導入(ドンドン絵図を描く)
       ※この時期までに60人クラスになってもいいように受講訓練をする。
・小3(30人)【加減乗除】視考力の説明(言葉と絵図の関係を理解させる)
       ※抽象思考への移行が出来るようにサポートする。
・小4(40人)【応用A】視考力の養成
       ※抽象的なことを目で考える練習をする。※速さを求めない。
・小5(50人)【応用B】視考力の養成
       ※複雑な問題を忍耐強く考える力を養う。※速さを求めない。
・小6(60人)【応用C】視考力の養成
       ※中学生活を意識させる。※思考は大人であることを意識させる。
◆以上、合計で210人(クラス平均35人)となるので先生の人数も現行のままでOK。
【 授 業 】・抽象思考ができる(視考力を使える)子に育てることを念頭に置いてすべての
        授業を組み立てる。
       ・小6で中学での学習に対応できる習慣をつける。ここまでが小学校の責任。
【 宿 題 】・三角計算・厳選筆算・漢字読本・全手本漢字練習帳・算数文章問題(週一題)
       ・理社の基本復習問題(語句中心)
    ※高学年は個別宿題
【 テスト 】・学期毎に前学期の教科書内容から問題を出して確認・家庭学習の参考とする
【総合的学習】・目で考える学習を取り入れる※さまざまなアプローチがあることを実感させる。
【体験 学習】・五感を通して語感を磨く言葉の学習を取り入れる。校外に出る必要はない。
■ 中学校□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□  
       ※頭の鍛錬期と位置づける(身体の鍛錬期は高校)
【クラス編成】・在籍クラスの構成は自由。名前順でも月齢順でもいい。
【 授 業 】・科目別の完全習熟度別講義を実施。上位講義クラスでは中1から高校入試問
        題までを扱う。
【 テスト 】・学期毎に受講クラス変更テストを実施する。 
【学習 方法】・「分からん帳」に統一。添削専任の先生を配備。
【 進 度 】・中3の7月までに全内容を終える。中3の夏休みを使って自分の進路を決定
        させる。中3の9月からは志望高校別講義。進学を希望しない者にはコンピ
        ューター(インターネット)での情報検索方法・情報処理方法とホームページ
        の作成を特訓する。自分のホームページはCDに保存して、卒業記念とする。

§入試改革
 高校入試できくべきことは決まっています。中学で習ってきたことです。ですから、内容を変更することはできません。また、内容を変更する必要もありません。本当の実力を知りたければ.、解答時間を二倍にすればいいのです。それだけで、技ではなく実力が分かります。
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<2005.12補足>
■小中の架け橋としての「分からん帳」
中1:「分からん帳」で個人(全生徒)の本当の学力、具体的な弱点、自己評価、家庭内位置、などが具体的に分かり、すべきこともハッキリする。授業の組み立てや進度の検討、誰に注意すべきか、等も見えてくる。
中2:「分からん帳」を中学用に作成する長期休みのテキストも利用する
中3:「分からん帳」を消化する。仕上げは高校受験。高校受験を利用して材料集め、分析、対策、計画、実行、反省、再計画、実行、仕上げ。を体験する。この方法が社会での戦い方の基本となる。進学を希望しない者も受験はする。