日々雑感
【2009.04/01】...日記より転載
●高校入試・内申点のトリック(文責:どんぐり倶楽部・T.Itoyama)
●内申についての教育相談メールがありましたので、この機会にUPしておきます。
>どんぐり先生、こんにちは。先日からもやもやしていて、先生に話を聞いていただきたいのです。今春、高校入試を終えた知り合いに頼んで、中学の教科書を譲って もらいに行った際、日頃から内申を稼いでおかなければいけないと いう話を聞きました。私が「中学校間で格差があるので統一基準は 作成不可能」とか「内申には高校側で掛け率を自由に設定できる」 などと、過去ログに出ている話をすると、出て来た資料がこれで す。中1&中2対象の進路説明会の資料らしく、全9ページのうち2ページを添付します。

学校の先生からは、こういう資料を前にして、定期テストが100点でも評定が満点つかないこともある、ということをさんざん言われるそうです。授業態度、提出期限の厳守、物の整理・・・。今の公立中学はここまで内申を振り回さなあかんほど、先生に自信がないんだということを感じて、ショックでした。家に帰って、この資料の元になる何かが公開されているはず・・・と考え、大阪府教育委員会のHPの中を探しまわり、それらしきものを発見しました。大阪府教育委員会(評定にかける倍率)
http://www.pref.osaka.jp/kyoishinko/kotogakko/gakuji-g/H21_yoko/HS24.pdf
一般の入試は、ここの2ページ目の後期選抜です。全体に占める内申点の比率を計算すると、倍率タイプ I 40%、 II 52%、III 60%となります。うちの学区は2区なんですが、2区の21校のうち、I が12校、II が5校、IIIが4校です。民間サイトで偏差値を調べると、II(内申5割2分)の5校は偏差値34〜47で、III(内申6割)の4校は偏差値34〜39でした。偏差値50以上の高校は全て選抜方法が I(内申4割)でした。偏差値の高い高校ほど内申の割合が低くなっています。また、偏差値はよそに置いておいたとしても、Iの選抜方法をとる高校が数の上でも半分以上の12校な
のに、5校しかないIIの計算方法しか資料に載せていないというところに、中学側の作為を感じます。それでも、この府教育委員会のHPを素直に読むと、内申は最低でも4割を占めることになります。私も、どんぐり先生が言っておられるように、内申を4割も取ったら、中学間格差は説明がつかないと思うのです。でもHPで公開されている資料だし・・・となって、もやもやしています。この府教育委員会の資料は、どう解釈すればいいのでしょうか。
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「どんぐり倶楽部」のItoyamaです。
●簡単なことなので答えておきます。内申が悪いのに、入試が良くて合格した人を捜してください。そうすれば本当のところが分かります。内申の扱いは年々地区によって独特なものになってきています。(神奈川など、重視しすぎて失敗して変更したりもしています)かなり、行き当たりばったりに評価の点数かをする期間もありますから探してもいいですね。ただし、中学の言い分は殆ど関係ないです。推薦にはもちろん大きく影響しますが一般では通じません。
●下記のことは
http://www.pref.osaka.jp/kyoishinko/kotogakko/gakuji-g/H21_yoko/HS08.pdfの2ページ

http://www.pref.osaka.jp/kyoishinko/kotogakko/gakuji-g/H21_yoko/HS24.pdfの3ページを熟読すると分かります。
...中学の先生は関心ありませんので、まず、ここまでは見ません(というか、詳細に説明すると「じゃあ、内申関係ないジャン!」と言われますからね←内緒の話です)が、(読みにくいように加工して)公開されていますからね。

40%の場合35%の場合←中学から出てくる内申点の実質格差を是正するには2クラス分80名を学力検査だけで欲しいところ(37.5%にすると丁度80名を確保できます)でしょう。
→こうすることで、公表している選抜基準を守り、中学校の顔も立て、高校の欲しい生徒も集められます。一見矛盾するのですが普通にできるんです。知らないのは受験生と保護者だけです。
→これは、全国的に同じ傾向です。なぜならば、高校入学後に(内申が良くて入っても実力がないので)勉強について来れない生徒を抱えて困るのは高校ですから、
 中堅以上(特に進学校と言われる上位校)では普通のことですし、高校を成り立たせるには必然的なことです。<暗黙の了解>ということですね。選抜形式が違っていても結果的には
 こうなるように仕組まれているところが公立校なのに何十年も上位校は上位校でいられる理由です。
●例えば、香里丘(平均予想内申194.0)の場合なら、内申144.5の団栗君は普通「合格は無理」と言われますが、入試用の勉強をしていると
 2郡で 348.0>>>300.0 となり、ダントツで合格なのです。
 さらに、合格者全体を見ても 学力では 348.0>>320.0 となり、ダントツなんです。
 つまり、通知表で言うなら「どんぐり方式のオール3の方が内申重視でのオール4よりも格段に有利になる」ということです。
 そして、内申を1点上げる労力で入試点数は10-15点上げられます。...ココがポイント!
 結論:格段に内申点が悪い(といっても程度がありますよ)のに入試で点数をキチンと取る方が有利!
...320名の募集人員の高校なら最初から総合点の289-352番の64名(40%→257-352番の96名)(35%→224-352番の128名)を狙うんです!そして、そこでダントツトップ合格する。
 これが健全な高校受験の基本です。
※ま、こんなもんです。ちなみに、公立でも理数科受験などは最初から定員が40人程度なのですから、全く問題ない人数です。
※さらに大事なこと(実はコレが本質ですが)は、高校入学後のことです。中学でもらい入試で使った内申点は、高校では全く役に立たない底上げ部分(学力ではない部分)ですから高校で自由に学園生活をするためにも最低限の点数で受験すべきなのです。例えば、四條畷[69]で1郡合格したAさんと2郡合格した団栗君は学力は348.0=348.0で同等なんです。あるいは、余裕で勉強してきた(内申対策しなかった)分だけ団栗君は余力もありますし健全なんです。
 また、香里丘[56]で1郡合格した80%をとった場合の受験者Bさんと2郡合格した団栗君を比較しても、学力は 320.0<348.0 となり、で2郡合格なのに団栗君が学力は上なんです。さらに、やはり余裕で勉強してきた(内申対策しなかった)分だけ団栗君は余力もありますし健全なんです。
...これが「どんぐり倶楽部」の健全な受験方法です。ただ、単に合格させることは簡単です。ですが、自己確立期にある中学生に無意味な見栄えだけを競わせる負荷(内申重視)を負わせるのはゴメンです。だから、工夫してるんです!
...何の根本的な工夫もなくパターン学習を反復させて受験だけを突破できるようにすることは、教育屋(塾時代)の時に散々やってきましたし、その弊害を知り尽くしていますからね。今更出来ません。