愛媛大学教育学部数学教育講座N氏からのメール
<抜粋>
100マス計算は、「計算力を身につける」ことを意図するものではありませ ん。表向きは「計算」を行っていますが、これは実は単なる方法であって、そ
の目的は別のところにあります。100マス計算の発案者である岸本裕史先 生は、それを「学力の基礎」と表現しています。「学力の基礎」と「基礎学
力」とは全く別ものと考えてください。100マス計算は「学力」を身につけ るものではないのです。そのもっと根底にある「基礎」を構築するためのもの
なのです。ここのところを、世間では大いに誤解している、と私は常々思って います。そして、誤解した人々が誤った捉え方の元に実践を行うがために、Itoyamaさんの言われる「被害」が後を絶たないのです。
<中略>
100マス計算による脳が活性化されるというのは、科学的なデータとして示 されているようです。しかし問題なのは「脳が活性化」された状態になること
が、実際の学習活動においてどのような意味をもつのか、これをしっかり見極 めなければ科学的な議論にはなりません。この辺りは未だにブラックボックス のままであり、「この部分をきちんと明らかにしていくことが100マス計算に係る今後の研究課題であり、それがなされなければ単なる流行りもので終わ
ってしまう」というのが、数ヶ月前に岸本先生(100マス計算を世に送り出した発案者)と議論したときの結論でした。
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「ブラックボックス:何も分かっていない」のにそれを売り文句にしているのはなぜだろう。控えめに見ても私には犯罪に見えます。
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●陰山英男先生の「陰山メソッド:徹底反復:百ます計算」(小学館)の表紙には、「どの子でも2週間で基礎計算力が確実にUP!」と書かれています。どうして?????
●さらに、本来の目的も注意書きも書いて無く「頭が活性化」する(これはエネルギーを消費すると言うだけの ことなのに好印象を与える言葉を意図的に使っている)とだけ書いてある。どうして????