※図形は特別な学習は不要です。ただし、中学受験をする場合は2週間ほど使います。
※高校受験では、図形問題を利用して小脳自動思考を体験できる機会を作ります。
■応用の利く思考力養成のヒント-2
§思考回路作成の臨界期
●12才までに思考モデル(思考回路)の刈り込みが始まることは、ようやく近年実証された(米ネイチャー誌参照by Giedd)。
私の経験則から言っても同感である。だから、本当に頭を良くするには、どんなに遅くても12才までにできるだけ多様な
思考モデル(思考回路)を作ることが絶対条件となる。情報量(知識量)や処理速度(高速計算など)の向上やパターン
学習に時間を使うのは、幼児・児童期(12才以前)には思考モデル(思考回路)作成の邪魔をしていることになるので要
注意である。なぜならば、計算は「10の補数と九九」の反復以外に使っている回路はないし、知識やパターン学習の修得
はコピー回路を使っているだけなので何一つ自力で新しい思考モデル(思考回路)作成はしていない。自力で思考モデル
(思考回路)を作るのと他人から教えて貰った思考モデル(思考回路)をコピーするのでは全く違うのだ。だから、同じ
問題が解けてもパターンで解いている子は応用が利かないのだ。これらのこと(知識量増加・高速処理・パターン学習)
は思考モデル(思考回路)作成を完了する12才以降に必要に応じてすべきことである。
●では、どうすれば最も効率的に思考モデル(思考回路)作成をできるか?簡単である。脳内言語である視覚イメージの再現
・操作練習を楽しくできる環境(教材)を整えてあげればいい。ただし、視覚イメージだからといって図形やパズルに走っ
てはいけない。現代人は文字文化の中で生きている。従って、より効果的な思考モデル(思考回路)作成をしたければ、常
に言葉とリンクしていることを意識できる形での視覚イメージを使った学習形態でなければならない。しかも楽しく寄り道
・脇道・回り道ができるように仕組まれていないと、様々な思考モデル(思考回路)は作り出しにくい。....「どんぐり倶楽
部」の「良質の算数文章問題」...これが最終的な答えである。思考力養成は「どんぐり倶楽部」の「良質の算数文章問題」
で最も効率的にできる。
●でも、なぜ絵図を描き出す必要があるのか?これは処理に使えるエネルギーの問題である。同じ事を考えるにしても全てを
頭の中だけで処理するには常に視覚イメージを再現し続けるという莫大なエネルギーを消費しなくてはいけない。
こんな状態では視覚イメージを操作に使えるエネルギーはほんの少しになってしまう。つまり、考えられなくなる。
ところが、絵図に描き出して目の前に置いておくと、視覚イメージを再現し続ける莫大なエネルギーは一切不要になる。
つまり、視覚イメージ操作(思考)に全エネルギーを使えるわけだ。これが、絵図を描くと簡単に理解できたり考えられた
りする理由である。
●では、なぜ言葉や式で考えてはいけないのだろうか?こえは、「言葉のトリガー理論」を知っていれば納得できるだろう。
言葉や数式は視覚イメージを導くためのトリガー(引き金)にすぎず、私達は言葉や数式そのもので考えているわけではない。
さらに幼児・児童期の子供が自在に操れる言葉は非常に少ない。それなのに、言葉や式で考えさせることは部品が少ししか
ないのに大作を作れと言っているようなもので、最初から無理があるのだ。ところが、視覚イメージを使うことを教えてあ
げると事態は一変する。視覚イメージは変幻自在である。これは、体の制御にも使っている力であり、人間が生まれたとき
から使い続けている(鍛え続けている)力(視考力)だからである。誰もが生まれつき持てっているとっておきの得意技な
のだ。だから、誰もが最も効果的に自由自在に使うことができる。この力を使って幼児・児童期に豊かな思考モデル(思考
回路)を作り上げるのです。言葉--視覚イメージの再現--視覚イメージの操作--過程の記号化(言葉での説明・数式での解説)
これらの思考モデル(思考回路)作成に必要なことを完璧に装備している教材...それは「良質の算数文章問題」以外にはな
い。だから、「どんぐり倶楽部」の「良質の算数文章問題」さえしていれば、他は何もしなくても思考力養成はできる。
もちろん<遊び:特に外遊び>は絶対条件ですが、その他はオマケです。
●「どんぐり倶楽部」がなぜ、物語仕立てのオリジナルの「良質の算数文章問題」を年長から700題も作ったのか.....答えはお
子さんの変化を見れば一目瞭然です。お絵描きに夢中になって答えにたどり着かない?結構です。沢山の思考回路ができま
したね。考え方はあっていたのに計算間違いをした?結構です。今は思考回路を作る時です。計算は1週間の特訓で完璧に
なりますが、思考回路作成は不可能です。しかも、思考回路作成には臨界期があります。
「せめて、計算だけでも...」「せめて漢字くらいは書けるように...」は本末転倒です。「まずは、思考回路を育てましょう」
ですね。
※上記は下記ページからの抜粋
■応用の利く思考力養成のヒント■