前に戻る】【続きを見る:どんぐり問題もありま〜す】【スイスで日本語&幼児教育 by helvetia
2007年1月12日・公文の親&認知的不協和理論
昨日は、ちょっと認知的不協和理論を思い出すことがあった。スイスの邦人メーリングリストで、バイリンガルについての投稿があり、バイリンガル教育を実践して今のところ”成功”していると考えている私はいくつかのポイントを書いて投稿した。
ブログに書いてあるようなことだが、まず子供にどの程度の日本語力を付けさせたいのか目標をたて、環境を整える。楽しく、無駄のない勉強そして家庭での会話のレベルを上げるなど。(私の周りでは、余りにも場当たり的にやっているケースが多い。母親は日本語を身につけさせたいのに、自分がチャンポン。ずっと無関心だったのに、突然スイス・ドイツ語しか喋らない子供に、あせって補習校へ突っ込んで、母子で宿題地獄…と言った具合)子供が全く日本語を話さない母親の投稿には「スペイン語とかと違って日本語では仕事がないから、スイスで日本語を子供にやらせる必要もない」と書いてきたのには唖然。仕事に必要かどうかではなく、母親の母語である日本語を子供に伝えることは自然の感情であるし、母子の情感のこもった母語での子育ては、現地語を日本語と同等に扱える人以外は子供にとっていい影響を与えない。これには同意する人の意見も投稿された。(スクールカウンセラーのスイス人義理父から、不十分なドイツ語で養育された子供たちに問題が起っているから、絶対日本語で育てなさい、と言われた、とか。)日本語を子供にやらせることに反対の意見の人達の子供は日本語が出来ない(笑)。これは、まさに認知的不協和理論ね。ついでに「公文vsどんぐり倶楽部」のバトルでも認知的不協和理論だなぁ〜と思うようことがあったのを思い出した。
以前、子供のいい勉強のアイディアをネットで探している時、ある掲示板で公文(高速単純計算プリント)VSどんぐり倶楽部で激しくやり合っている掲示板があった。その掲示板では「どんぐり」と書き込むと「----」と伏字になってしまうというのだ。その頃はどんぐりのことを良く知らなかったので「掲示板に”どんぐり”、って書き込むだけで自動的に伏字になるって、オウムみたいなカルトの一味か、それともアダルト(笑)?」と興味を持ってどんぐりのHPを検索して見てみると、スゴーイGOODじゃな〜い♪誰が見たって、子供にはどんぐりの方がいい。どうして公文派はこんなに「どんぐり倶楽部」の否定に躍起になるのだろうか。そんな時、ふっと心理学で言うところの「認知的不協和理論」が頭に浮かんだ。誰でも経験がありますよね。↓
========総合案内 こころの散歩道 HPより抜粋==============
(2)認知的不協和理論:矛盾はいやよ・意見は変えません・予言が外れるとき
●タバコ吸いますか?...あなたはタバコを吸いますか。でも、タバコは身体に害があるそうですよ。さて、調査によりますと、タバコをたくさん吸う人ほど、タバコは身体に害があるとは考えていないことがわかりました。
 タバコを吸っているという事実。そして、タバコは害があるという知識。この二つには矛盾があります。害があると思いながら、タバコを吸うのは、何となく落ち着かなくて、不愉快です。この不愉快な気持ちを「認知的不協和」と呼んでいます。人は、思いや行動に不一致、矛盾があると、心の中に不協和が生まれます。これは気持ちが悪いので、何とか不協和を下げようとします。タバコを吸うこととをやめてもいいのですが、これはかなり難しい。そうすると、人は、変えやすいほうを変えます。タバコには害がないと思えばよいのです。
● どんな広告を見ますか?...カタログをいっぱいもらってきて、考えて、考えて、選んだパソコン。さて、買ってしまった後は、広告もカタログも見る必要はないのですが、それでも人は広告を見ます。しかも、自分が買った商品の広告を選んで!他の広告を見て、もしも他のパソコンの方が良いと思ってしまったらどうでしょう。簡単に買い替えはできませんから、「私はこのパソコンを買った。しかし、あっちのパソコンの方が良かった」という認知的不協和状態になります。こうなってしまっては困るので、自分の行動が正しかったと思うことができる広告を読もうとするわけです。人は、自分の考えに会った、自分に都合の良い情報だけを選んで、集めてこようとするのです。
http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/deai/012ninchi.html
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そうそう、高いパソコンを買ったあと、他の店で同じ価格帯でもっと性能のいいのを見つけてしまった時の心理、私も経験あります(笑)。何年も公文を子供にやらせている親は、どんぐりの勉強法や文章問題をみて、こちらの方が良かったと絶対思ってしまう。買い替えは出来ないどころか、5年も6年もやらせてしまって、もうどうにも取り返しがつかない。大事な子供の教育に大きな選択ミスをしてしまった!「私は公文の高速計算プリントを子供にやらせてしまっていた。しかし、どんぐりの方が良かった」と認知的不協和状態になる。学校でやる百ますは、まぁ、タダだから公文よりは親の”シマッタ!”感は低いだろうが、公文の数年にわたる高い月謝も無駄な、いやかえって子供をダメにしてしまう投資だった、というのはかなりショックだ。どんぐりのHPは過激だから(笑)、もー親はどんぐりを徹底的に否定して自己正当化するしかないのだ。自分に都合の良い情報だけを選んで、集めてこようとする。実際、子供に公文でも始めようかと思って、偶然どんぐりを知ったら「高速プリントやらせなくて、よかった〜」と親は素直に思える。(それでも高速計算プリントの学習法を選ぶ親がいたとしたら(いるのかなぁ〜?)、どうしてだか理由を聞いてみたいものだ)。長年やらせている親に限ってどんぐりを必死で否定。
 前の話に戻って”海外で日本語”も「子供には日本語を身に付けさせることが出来なかった。でも本当は日本語出来たほうがいい。」ここで認知的不協和状態になる。自分が正しかったと思える情報だけを集める。「日本語出来たって仕事ない」「やっきになるのは子供に良くない」(誰もやっきになっている、とは言っていない)、「スイスの勉強に遅れる」(それはあなたの子供の場合でしょ)、などなど、日本語の勉強に楽しく真剣に取り組んだこともないのに、否定材料をひっぱり出してくる(笑)。
●いや、公文派はどんぐりを正々堂々と否定する材料をひっぱり出せないから、「HPが見にくい」とか「宿題マシーンのような提案をする人を信用できない」とか、見当違いのケチをつけ(爆)、否定材料の代わりに、いかに公文が素晴らしいかを列挙する。「計算が速くなった」(そりゃトレーニングだからね)、「学校の算数の成績は上がった」(学校のテスト自体が計算問題多いから当たり前ね、計算力は算数や数学の力にはならないby素粒子理論物理学者)、「計算が速いのが子供の自信だ」(計算で成績出せるのは小学校のうちだけ、後で計算力では数学は太刀打ち出来ないことを思い知るので、子供の自信を計算力でつけさせるは良くないよ)などなど。誰でもいい、「どんぐりやって”考える力”の育成が阻害された!」と反論してちょーだい(爆)。どんぐり倶楽部に頭から否定している人も、是非一度取り組んでみてから否定してみたらどうだろうかね。私も公文プリント取り組んでみました。やっぱ頭良くなりそーにはなりません(笑)。
最終更新日時 2007年1月13日 5時54分46秒