前回の転載に続きますが、こちらはブログ「言葉のむこう」からです。
<転載>
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【どんぐり倶楽部の根本的な問い】
どんぐり倶楽部の算数文章題を、中学受験の勉強のためのツールとして利用し、どんぐり倶楽部の教育に関する考え方を知ろうともしないで終わる人は多いと思います。
非常に勿体ないです。万一、そういう人がこれを読んでいたら、是非、どんぐり倶楽部の考え方全体を知って欲しいと願っています。
中学受験で成功しても、人生には、どこまで行っても色々なハードルがあります。
難関中学に入れた、その数年後には難関大学に入れた、その数年後には大企業に入社できた、医者になれた、という具合に行ったとしても、その先で出会うであろう問題は、多種多様です。
「だからこそ、○○中学に入れて、人生のハードルのいくつかを乗り越えやすくしてやりたいのだ」
「卒業大学のネームブランドは財産になるから、それを持たせて世間に出したい」
「稀少価値のある学歴を持っていれば、人生の選択肢が増えるから」
などの反論もあろうかと思います。
私も高校生の頃は、そう思っていました。
両親は、頑張って勉強しろと叱咤激励するような人ではなかったし、そもそも大学に行けとも言わなかったので、このように思うことで自分で自分を励まして受験勉強をしていました。
でも、思っていたより、人生はもっと複雑でした。
学歴が人生と無関係と言うわけではありません。
医学部を卒業し、国家試験に合格していなければ医者になれないのは確かです。
でも、医学部に行かなければ、医師になるのとは別の人生を歩むだけで、どちらがいい・悪いというものではありません。
問題は、それぞれの道で、プライベートも含めて、人生をどうとらえるか、どう考えるかです。
●「なぜ人を殺してはいけないか」は非常に単純で根本的な問いです。
「どんぐり倶楽部」では「人生は何のためにあるのか」「何のために勉強するのか」「教育とは何か」等と同様に基本事項となっています。
*どんぐり倶楽部HP 過去ログ 2006.10.12→
「なぜ人を殺してはいけないか」
「人生は何のためにあるのか」
「何のために勉強するのか」
「教育とは何か」
どんぐり倶楽部の考え方の全容は、このような根本的で、人間が長らく考え続けてきたような問いを出発点に置いています。ですから、めまぐるしい社会変化に左右されないのです。例えば、私が若い頃にワープロが登場し、その後、多くの人がパソコンを使う時代になりました。文章をタイプライターで書く時代だから、小学校からタイプを教える。ワープロの時代だからワープロを小学校で。コンピューターの時代だからコンピューターを小学校でと、社会のめまぐるしい変化にキャッチアップするために、初等教育をクルクル変えることとは無縁です。(実際には、小学校でタイプやワープロの打ち方を教えなかったと思いますが)社会がどれだけ変わっても必要なこと、普遍的なこととは何かを問題にします。資本主義であろうが、社会主義であろうが、成果主義であろうが、年功序列であろうが、関係ありません。
ところで、先ほど掲げた4つの問いには、該当する過去ログの部分に解答が書いてあります。
ですから、その解答を受け入れ難い人には、どんぐり倶楽部の方針で子どもを育てることは難しいかも知れません。
けれども、たいていの人は、「人生は何のためにあるのか」に対する解答ゆえに、受容せざるを得ないのではないかと思います。
その解答とは、
「人生には何の意味があるのか」→「人生に意味はない」→だから「自分で意味を付けていき自分の人生に意味を持たせる」※意味のある人生は育てるもの
「人生は何のためにあるのか」→「目的はない」→だから、人生を人間の(自分の)ものとするならば、楽しむことが出来るのが人間なのだから「人生は楽しむためにある」となるのです。
つまり「人生の意味、目的」について、解答は示されていないのです。
どんぐり倶楽部は宗教ではないからです。
「楽しむためにある、と言っているじゃないか」と反論されそうですが、ここで言う「楽しむ」というのは「味わう」という意味に近いかと思います。
甘いも苦いも味わいながら、目的があるに違いない、目的を知らなければ生きていけない、と思う人は、それを探していけばいい。
その探すこと自体も含めて「人生を味わう、楽しむ」ことでしょう。
このように、各人が自分の体験や思索などによって、人生の意味、必要なら目的を、求めることができるように育てる。
これが、どんぐり倶楽部方式の子育てなのだろうと思います。
<転載終わり>
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