●今日はルクセンブルグのどんぐり教室を紹介します。
下記は、その中(どんぐる倶楽部:どんぐりの動詞形ですね「どんぐる」)のギャラリーページです。
どんぐる ぎゃらりー
その他のどんぐり算数問題の絵
はじめの一歩と一年後・・・
進化の様子(男児 5歳5ヶ月 年長さん ※2012年6月現在 )
進化1 見えないものを見る力1←これが大事!
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しんたろうくんは そらをとぶ おさかなを きのう みました。おさかなはあかいおさかなと あおいおさかなが いました。あかいおさかなが 3びき いたのですが あおいおさかなは なんびきか わかりません。そのひの しんぶんで きのうのおさかなは みんなで 8ひきだったことが わかりました。では、あおいおさかなは なんびきだったのでしょう。
赤いお魚を3匹→OK
そのあと青いお魚を2匹描いてみたものの意味が分からなーい!と半泣きで断念。
ところで、無いもの、見えないものが見えるかがこの問題のねらい目です。ヒントなしですからね。ヒントをもらって解けてもゼロですからね。泣いてもスネても、そのままわからん帳に寝かせます。ちゃんと絵を描いておくと大脳からコピペして小脳が勝手に考え続けてくれます。→小脳の自動思考
2ヶ月後・・・・↓。
しんたろう君がかわいいですねぇ~。なんだか前より絵に余裕がうかがえます。
お魚ちゃんと描いてあります。赤いのが3匹と青いのが5匹。
だいせいか~い!!!はなまる。でも本当は答えは重要ではないし、正解することが重要だと子供に思われては困るので、解けてもさらっと評価して下さいね。お母さんは心の中で静かにガッツポーズして下さい。(笑) 絵を丁寧に描いたことはもちろん評価してくださいねー。
足し算や引き算を習っていない年長さんでも、上のような問題が解けるんですね~。大人でもしっかり集中してないと、あれっ何て書いてあったっけ?となってしまいますよね。
絵さえ描けば・・・解けるんですよね~。しかも、楽しく。上記のはじめの一歩を読んでいただければ分かりますが、数ヶ月前は桜の花を描くのもやっとだったんですが・・・。ここまで来ました。子供の成長ってすごいです。足し算や引き算など学校で習ってないことを良かれと思って家で教えては駄目ですよ。子供の才能を潰します。
進化2 見えないものを見る力2
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きょうは くじらの うんどうかいの ひです。しんたろうくんの くじらも でます。あかいくじらと しろいくじらに わかれて きょうそうします。あかいくじらが しろいくじらより 3びきおおいので みんなでくじらは 19ひきいます。では、あかいくじらは なんびき いるのでしょう。
(19-3)÷2=8 8+3=11という問題ですね。これも文章だけで解こうと思ったら年長さんにはまず無理ですね。そもそも、それぞれの色のくじらが何匹ずつなのかが書いてないですから難問です。1回目に解いたときは、くじら描けなーいということだったので、図鑑で調べました。そして、くじらを2匹描いて終了。上↑(ちなみに隣の文は書いてと頼まれました)
→わからん帳へ。
数ヵ月後、2度目に挑戦した絵がこれ↓。
赤いクジラが12匹、白いクジラが7匹描いてあります。ちゃんと全部で19匹います。いっぱいいっぱい頑張りましたというところでしょうか。答えはまだ間違ってますが、ここまで描けていれば思考回路一つ増えました。上出来です。
進化3 足し算引き算混合の問題
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ふゆがきらいな ゆきだるまの たあくん と ういんくん が いました。ふたりは はるのこうえんへ ぴくにっくに いきます。たあくんは おにぎりを 5こ ういんくんは 7こ もってきました。ふたりで4こずつ たべたとすると のこりはあわせて なんこですか。
(5-4)+(7-4)=4または(5+7)-(4+4)=4という問題です。雪だるまが描いてあって、お皿におにぎりが7個と5個のっています。二人で食べたおにぎり8個も描いてあります。正解です。う~ん・・・複雑な問題ですが・・・。でも、これも絵を文章どおりに描きさえすれば答えが見えますね。この問題では、ずつ、のこり、あわせて などの言葉を正確に理解しているかが問われています。また、食べたとすると・・・などの仮定表現も算数ではよく出てきます。このような言葉は日常生活のなかの場面場面で覚えるのが一番です。日頃から意識して使うようにしていきましょう。2年生くらいまでは出来れば式は書かないほうがいいですね。式を書くと式で考えようとしてしまうからです。とにかく絵で考えること。これにつきます。
進化4 足し算から掛け算につなげる問題・・・そして読解力
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こうえんに かたつむりさんたちが あつまっています。きょうは、みんなで おちばを あつめるそうです。ひとり 2まいずつの おちばを あつめると みんなで なんまいの おちばを あつめることが できるでしょうか。かたつむりさんは みんなで 4にん いますよ。
どうしてどんぐり問題で読解力がつくかがこの絵から解ると思います。例えばこうえんと聞くと、滑り台があって、ブランコがあって、砂場も描いて、そしてお日様も描きたいけど、カタツムリさんが来るということは雨も降っている。かたつむりさんの上にもちゃんと二枚ずつ葉っぱがのってます。一行読んだだけでこれだけのことをイメージ出来ます。これが行間を読むということに繋がります。文章にはどこにも滑り台やブランコ、太陽などは出てきませんが、頭の中で場面設定をしています。ここがポイントです。 言葉を聞いてまたは読んでどれだけ多くのことをイメージできるか、またそこからどこまで自分の過去の体験とリンクすることが出来て感情までも再現することが出来るかというのが、どれだけ読解力があるかということに繋がります。このように一行を丁寧にきちんとイメージ化することが大切です。それが身につくと後々本一冊を丁寧に読み解く力がつきます。視覚イメージそのものが理解であり、思考へ繋がるからです。一文を読んでどれくらいその子がイメージを膨らませることが出来るかここが勝負と言っても過言ではありません。算数の問題だからと言って急いで答えを出させようとしてはいけません。ここを焦るともともこもありません。十分に楽しむと自然に次のステップに進みます。算数って緻密な読解なんですね。読解したものを算数語(式)に置き換えはしますが。つまり、大雑把でよい国語の読解が伸びないはずがないのです。もちろんどんぐり方式でやらないといけませんよ。
で、私もまだまだ未熟者なので、ちょっと油断すると答えを出して欲しいと思うんですよね~。でも本当に答えはオマケで、2年生くらいまでは文字を絵にするということを楽しく出来るほうが大切です。子供に答えが出た方がいいんだとか正解することが良いことだとかすごいんだといった認識をさせないように日々精進です。ほらっ、答え出してよ~っ。ビームを出しちゃうんですよねー。駄目ですよ。だって、正解することが目的ではなくて思考回路作成が目的ですからね。学校のテストで満点とっても思考回路ゼロだったら意味ないですし。つまり学校のテストは学力をはかるものではないのです。いろいろ書くと長くなるのでこの辺で。あとはどんぐり倶楽部公式ホームページをご覧下さい。
あ、そしてこの問題は、例えば年長さんであれば絵を描いて葉っぱの数を数えますね。1年生だったら2+2+2+2=8と書くかもしれません。2年生であれば2×4=8と答えをだすでしょう。また逆の見方をすると、年長さんのときから掛け算の準備学習をしているということになります。ただ式で覚えるのではなくて学校で掛け算を習ったときに、実感として式の意味がストンと腑に落ちるように準備ができるわけです。大事なことは今自分が持っている力を駆使して考えるというところにあります
進化5 健全な省略・・・抽象化への道
どんぐり問題の基本は丁寧に絵を描くこと。問題には虫や動物などが出てきて、15匹とか20匹などは常ですが時よりものすごい大きい数が突然現れたりします。たとえどんなに忍耐力のある子どもでさえも、全てを丁寧に描くのが不可能になってきます。そこで自分で考えるようになります。この●をバッタということにしよう。とか、この■を10ということにしよう。ということで以下の絵を見て下さい。
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ばったを のせた ばしゃが 6だい やってきました。1だいに 3びきずつ ばったが のってます。 では、みんなでなんびきの ばったが やってきたのでしょう。
はじめ、「ばったを乗せた馬車」を描きました。馬車とかよく描けるなーと感心しつつ。で、「6台やって来ました。」・・・・・・「これを6台も描けないよ。疲れるし・・・。」(息子心のつぶやき)で、どうしたかというと、四角に車輪を描いてその上に点を3つうったものを6つ描きました。おっ、そうきたか・・・。
はじめからこういうことをやっていた訳ではありません。以前までは数が多くなると、「そんなにいっぱい描きたくない。疲れる!」「えーっ!13匹もいるの?嫌だ!」とお絵描きを止めていました。母「えっ、13匹ぐらい描こうよ。(心中)」と思いつつも、わからん帳に入れてほっときました。
ところで、自分から抽象化することを学んでいくというのはとても大切なことだなと思います。いきなり文字や数字(数式)を教えられるのとは得るものが全く違います。教えられて何となくやれるではなくて、自分で使いこなしているという感覚。これが大事。まず、具体物ありき。そしてそれを絵に描いて考える。今度はそれを簡単な絵で表してみる→最終的に文字や記号を使って表す。その方が効率的(早く描ける、伝達するときにまぎらわしくないとか、スペース上の問題とか・・・)。しかし重要なのは、文字や数字自体が大切なのではなくて、もともとは全て視覚イメージなんだというところをはっきりさせておきながら、便利な面もあるから文字や数字を使うというところを子どもが認識しているところだと思います。
でもどんぐり問題はじめたてのうちからいきなり蟻さんが●とかでは楽しめてない(=味わえてない)のでお粗末ですが(というのは、解くために絵を描くのではなく、問題を考える過程を楽しむために問題があるので・・・。←ここ重要。)親がさせていると、解かせていると、子どもは「描けばいいんでしょ?」「やればいいんでしょ?」もしくは拒否、みたいな反応になるのは目に見えていますがこれではもったいないし、後で伸びません。なぜなら自分ですすんで勉強を楽しもうという姿勢がないからです。やらされてるだけ。親として特に気をつけたいところです。やらせないこと!!!どんぐり問題は本当に良質の問題なので、子どもにさせたいのはやまやまですが、ここを急ぐとぽしゃります。昨日やったからいいでしょもうやんなくて。あんまりするとアホになるよ。ぐらいで丁度いい感じです。ちなみにうちではどんぐり問題をするときはたいていグミかチュパチュプス食べながら楽しくやっています。
これからどんぐり問題に取り組もうとされる際に、とにかくほっといても(もちろんどんぐり流にですが・・・放任・ほったらかしの意ではありませんので注意)自然に子どもがやり始めるので焦らず待つことが必要だということの参考になればよいかなと思います。どんぐり理論では固体差がないですから。例外なく100パーセント誰でも。だって同じ人間だから、人間の発達をするまでです。正常な発達が出来る環境さえあれば・・・です。
省略が見られる絵↓
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人間の正常な成長には「楽しさ」が絶対条件なのです・・・。
糸山泰造『 思考の臨界期』より
学校や~式などで、計算だけ早くできたとしても、考える力がつかないのは当然と言えます。数式の裏にあるものを体得していなければ、納得していなければ見せかけの理解になってしまいます。小学生の間は何をするとか、何が出来るとか答えが合うといったことは二の次で、どのようにしているかが重要です。丁寧にやっているかどうかも見逃せない重要なポイントです。子供の発達を無視した前倒し教育を行うと後でしっぺ返しが来ます。知的系統教育(パターン学習や知識の蓄積)は頭が出来上がった12歳以降に行うべきものです。で、答えが出せれば見かけ上は出来ていますので親も安心ですが、本当に分かっているのか十分に確認する必要があります。どんぐり問題では絵を見るとどこまでどう分かっているのかいないのかが一目瞭然です。また、どんぐり問題の良いところは、論理的な思考だけを育成するのではなく、同時に感魅力、オリジナリティー、感情を殺さない教育をするところです。ヒントになる絵などは一切なく、0から自分のオリジナルの絵でもって考えるのです。読解力がつくのはいうまでもありませんし、しかも他の言語にも他の教科にも応用が利きます。視覚イメージ操作が上手に出来ればオールマイティーなのです。
また、習っていないから出来ない、これ足し算の問題?引き算?などの言葉がでるとしたら重症です。頭がコピー回路になっています。今自分が持っている力を駆使し、しかも楽しく解くことを子供達が普通にやれること、そこからガラスの自信ではなく、本当の揺るがない自信がつきます。頭が出来上がる12歳までに具象思考を続けておくと其の回路はのちのち生かされます。そして、より高度な抽象思考が出来る土台を作ります。人間は環境適応しますので、使わない回路は淘汰されるからです。
学校の勉強はあくまでも整理学習です。自分がこれまでに遊びや体験を通して培ってきたことをまとめるというのが学校の役割です。つまり、算数でいえば自分で具体物を使って数えたりしていたことを数字や式で表すとこういうことになりますよというのを学校が整理して教えてくれるわけです。なので、学校では思考回路養成や学力養成はしてもらえないのです。
また自主的な遊びによって思考回路が作成されるのは言うまでもないことなのですが、では遊んでいればいいかというとそうではありません。回路を作ったが活用できていない場合があるからです。学校に入ると整理学習ですからパターン学習が始まりますね。そして宿題も出ます。もしここで視考力の活用方法を身につけておけば学校に振り回されずに能動的に学習することができます。就学一年前くらいから少しずつ論理的なことを導入しつつ、言葉から視覚イメージ化する練習をすると良いです。間違っても、入学までにひらがな、カタカナが書けて、計算は出来るようにばっちり準備しておけば楽だし、余裕を持って授業に望めます、今からやっておきましょうというフレーズに引っかかっていろいろヘンテコリンナことをさせないように。だって、これから先の人生、授業でならうことを全てばっちりやって授業に臨むなんて不可能ですよね。全部お膳立てするのではなく、お膳立てがなくても自力でやって行ける力をつけなくては全く役立たずなのはいうまでもありません。
そこで、今どうしてどんぐり問題が必要かといいますと、昔は子供達は外でいろんなことをして遊んだわけです。親が見ていたら絶対させて貰えないだろうこともやれた訳です。そんななかで思考回路を作る事が出来ました。ですからバランスがとれていました。しかしながら今は違います、治安も悪くなったでしょうし、例えばルクセンブルクでは12歳までは保護者同伴が義務付けられていますよね。子供は自由に遊ぶ機会がガクンと減ってしまいました。つまりそれだけ思考回路をつくる機会が減ったということです。けれども学校の中身は昔と全く変わっていませんよね。また家庭環境と言えば、アパート住まいで庭もなく、日曜大工や庭の手入れをするのを見たり手伝ったりする機会さえありません。動物すら飼えません。おもちゃといえば既製のもの。何もかも便利で工夫の余地なし。また、拍車をかけるようにテレビやゲームが氾濫し、家庭で幼児期からコピー回路を強化すべく知的系統教育を行う。時間があるからと習い事をいくつもさせる。車で送り迎えなのでドアtoドア。プラスの要因が激減し、マイナス要因で埋め尽くされています。これでは子供の頭はガタガタです。昔のように、ほっとけば自然に思考回路が身につくという時代ではなくなったのです。そこでどんぐり問題で意図的に思考回路の養成をするんです。使用上の注意を守ってやると誰でも100パーセント思考力(視考力)がつきます。すごくないですか?意図的に・・・ここがまたすごいですが、誰でも・・・これも驚きです、100パーセント・・・以上かもしれません、思考回路養成できるんですよ。問題1学年分1000円・・・安っ、と紙と鉛筆だけで。消しゴムもいりません。どんぐり問題は年長~6年生まで700問ありますが全部する必要はありません。しかも、答えが出せなかったとしても学力がつくからあら不思議。答え出さなくても頭良くなるってどういうこと?ここも驚異的!!!どう考えるかの過程が大事だからです。答えはオマケです。答えはオマケなんですよ。しかも、楽しくやれて、論理的なことをやっているにも関わらず、感情を潰さないんですよ。グリコにオマケが10個ぐらい?いやもっとついてる嬉しさです。ちょっと違うか。←どんぐり理論に出会ったときは稲妻に打たれたくらいのビリビリ感でしたね~。
もちろんどんぐり問題をしなくても子供は育ちます。偶然に視考力を身に着ける子供もいます。でも、やってみてプラスはあるかもしれませんが、マイナスはないのでご安心を。
社会にでれば、分からないことだらけですね。いかに知識をもっているといってもこの世の中のことを全て知っているなんて不可能なことです。自信がない、考えれないが故に知識武装せざるを得ないのはあわれなものです。また、いろんなことがそつなく出来るのになんだか楽しくない。そんな人生もいやですね。また、人生にはいろんな困難がありますが、その時に習ってないからどうすればいいの?出来ないよと逃げますか?人に自分がどうすればいいのか聞いて回りますか?人から言われたことしか出来ないマリオネットになりますか?
どんぐり問題を通して、生き方そのものを、また自分の人生を、今自分がやっていることを楽しむ術を子供達に学んで欲しいと思います。そして、このようなことを子供に教えることが真の教育だと確信しています。子供にヘンテコリンなことをさせないで、週にたった1~2問どんぐり問題をするだけですばらしい力がつきますよ。是非ご家庭でやってみてくださいね。
年齢による、どんぐり問題への誘導方法
●年長~1年生
・遊びの一環
・お絵描きする為の材料
・文字を絵にする事を自然に出来るようにする
・数字も不要
●2~3年生
・問題に取り組むことが、楽しい約束になるように設定
●4年生
・大事なルールとして、1週間に一回必ずやろうと約束する
・親の本気を見せる
・どんぐりがなぜ必要なのか話す。(勉強することの意義、働くことへの覚悟など
中学3年まで、折をみて話をする)
●5年生
・重要な仕事
・好きでも嫌いでもやる!
●6年生
・自分の思考を鍛える方法
(きちんと考える力をつけたいと思うなら、これをやるしかない!)
どんぐり問題全問をする事に意味はない、7年かけてする事に意義がある !!! なぜなら、12歳ごろまでは子供は人への進化の途中にあるため、必要なもの(つまり使うもの、環境に要求されること)は残され、使わないものは淘汰されるからです。考えるという良い回路を淘汰させないために7年かけてじっくり・ゆっくり・丁寧にです。
魚を買い与えるのではなく、捕り方を教えましょう。
* 紹介でした。