慣れさせることの危険性
<幼児・児童期の暗記・暗算など反射系を重視している方は
コチラもどうぞ:完全記憶者シィーに関するルリアの実験>

<公立小学校の生徒に抜き打ちテストをしたら、有名私立中学の問題を解いた!←???>

百ます計算・高速計算」擁護派の人は
「タイムアップを競争ではなく自己目標にすれば問題は解消される」と言うことがあります。
 また、
「他人と比べるのではなく自分の成長に気付いて欲しいです」と言うこともあります。
 成長?...それh,成長ではなく<退化>だと思いますよ。

 そもそも
「高速計算 ( 視算ではなく計算)そのものに問題があること」また、この練習に使う時間が「考えない訓練の時間となること」
 この2点が非常に大きな問題だと思います。
 さらに、
競争であれ自己目標であれ、やっていることが同じなのですから頭に及ぼす影響は同じなのです。道徳的な話ではないのです。

●道徳的な話をするのであれば、私なら競争そのものに意味がないこと、勝ち負けは関係ないことを教えた方が遙かにいいと思います。
 なぜなら、いくら口先で自己目標と言っても友達の間やクラスの間で競争をするからです。必ずそうなります。それは自然なのです。
 当たり前なのです。そんなことは子供を実際に指導したことがあれば分かるはずです。たとえ口に出さなくても競争しているんです。
 勝ち負け自体に意味がないことを教えない限り、子供達の心への影響は続くのです。

●また教育を語る上で大脳(特に前頭葉)の「脳の活性化」という言葉は使ってはいけない言葉です。
「脳が活性化している」とは厳密には「エネルギーを消費している」ということです。
さらに、単純に活性化する場合は無駄なエネルギーを使っている場合が多いので要注意状態です。
無意味に負荷がかかりすぎている・オーバーヒートしているということが多いからです。
脳の活動では省エネの方が優れているのは当然です。ですから「脳が活性化しているから〜」は教育においては何の指標にもならないのです。

●どうしてこの異常事態に気付かないのだろう。子供達がボロボロになっているのが見えないのだろうか。教師にとっては、教師生活数十年のうちの一年でしょ うが、子どもや保護者にとっては一生に一度だけの一年生であり、一生に一度だけの二年生なのです。ほんのちょっとだけでも、立ち止まって考えて欲しいもの です。
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●一般家庭向けの「百ます計算」プリント(小学館)には
本来の目的も注意書きも書いて無く「頭が活性化」する(これはエネルギーを消費すると言うだけのことなのに好印象を与える言葉を意図的に使っている)とだけ書いてあるの は、どう考えても納得できません。絶対に使ってはいけません。
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●思考力の基礎を作り上げなければならない時期に応用の利かない方法で目先の成果だけを追い求めていることに気付かないのだろうか。
●この時期には基礎計算力と同時に考える力の基礎を作りあげなければならないのです。
●トライアングルナンバーズは加減乗除+分数+約分+イメージトレーニングの全てを同時に練習できるのです。
●エネルギーや時間は有限です。特に基礎づくりをする時間は等しく限られています。ですから、その中ですべきことは応用の利く基本をキチンと教えることで す。応用の利かない基本ではいけないのです。「百ます計算」は応用の利かない基本の代表なのです。だから、基礎計算とは全く異なる時間を作って考える力を 付けようとしているのですが、そんな時間はありません。しかも、その考える力の育て方を知らない状態でです。これでは負荷ばかりかかって考える力など付く はずがありません。
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●「百ます計算」
→数字だけの操作
→目で考えることを知らない子供
→絵図で考えることが出来ない子供
→文章問題を式だけで解こうとする子供
→考えることができない子供
●トライアングルナンバーズ
→基礎計算力と同時に考える力の素となるイメージトレーニングができる・目で考えられる子供
→絵図で考える子供
→文章問題を絵図を利用して解く子供
→考えることが出来る子供
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●「より計算が速いほうが、より頭がいい」というのは、根拠のない短絡的な関連付けです。

●今までのどんな方法でも (○○式でも××計算でも)基礎計算はできるようになるし、時間をかければ速くもなります。
「百ます計算」は、便利だということで注目されていますが、構造的には何の進歩もしていません。
 問題は基礎計算力を付けるとされている方法が、子供にとって計算力を付けること以外にどんな影響を及ぼすかなのです。
 基礎計算力はもちろん必要です。ある程度の速さも当然必要です。当たり前のことです。
 ですが、その手法自体に副作用をおたらすものを使ってはいけないのです。基礎計算力は付けるんです。
 トライアングルナンバーズなら、「百ます計算」より格段に速く出来るようになるのです。
 ですから、そんな事は問題にはならないのです。そんな目先のことだけで話をしているのではないのです。
 子供の将来を深く考えずに目の前のことを非効率的な方法で場当たり的に対処していることが問題なのです。

●全ての学習の基礎学力を作る時期である、最も貴重な6歳〜9歳という時期に、こんな方法で基礎計算力を付けているようでは、
 応用力は育てられないし、考える力など育ちません。
 この時期の学習は「どんな方法でもいい」わけではないのです。
 ましてや「便利だからこっちがいい」程度のことで浮き足立ってはいけないのです。
 さらに「善し悪しはとにかく、基礎計算力は付けられる」では絶対にいけないのです。これは子供の一生に関わる大重要事項なのです。

●年長から高校入試までを考えたときに最も大切なことは6〜9歳の3年間です。ここで目で考える力「視考力」を育てることが出来るか出来ないかで、その後の伸びが大きく異なるからです。
しかも視考力はあらゆる思考活動の基礎を作りますので一生の財産とも言える力です。この力を持っている子といない子では理解力が格段に異なります。また、 視考力を使うと最小限の力で最大限の効果を期待できることも視考力の特徴です。有限なエネルギーを効率的に使えるということです。だから余裕を持って色ん な事が出来るのです。これは、人間が持っているずば抜けた視覚 (イメージ )による大量最速の処理能力に由来します。人は誰でも生まれてから死ぬまで優れた視覚処理能力を有しているのです。使い方を知らないだけなのです。実に もったいない話です。
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●基礎計算力と問題解決能力を同時に育てることは不可能と思われていますが、できるのです。排ガスゼロと高速運転は同時に出来るのです。もちろん、今まで の既存の技術では不可能でしたが新しい技術を導入すれば簡単に出来るのです。トライアングルナンバーズとリニアモーターです。

●速くてはいけない理由※反射式プリントが作り出す人為的学習障害(ALD)
 速くていいのは「10の補数」と「九九」だけです。他の計算まで速くしては いけません。速くて悪いことはないと思っている方が大勢いらっしゃいます が、速くてはいけないこともあるのです。特に幼児期の学習でスピードを付け ることほど危険なことはありません。なぜなら、考える力を養成すべき時期に は速さが一番の大敵となるからです。「作業と思考は反比例する」ということ をご存知でしょうか。例えば、単純作業を速くしようとする場合を考えてみて 下さい。単純作業を速くするには何も考えないで作業に没頭する必要がありま す。また、速い作業をしている時に何かを考えようとしても考えられません。 つまり、速い作業は考えることを妨害する作用があるということです。大人で もそうですが、計算を速くしている時には、頭の中では思考が止まっていま す。高速計算は作業であって思考ではないからです。速い作業(高速計算)をし ている時には頭の中では「考えるな」という指令が出ているということです。 ですから、幼児期に一番注意しなければいけないのは高速学習なのです。高速 学習は、条件反射的に処理することを要求していると同時に「考えるな」とい う指示を出しているのです。そこには「考える力」を生み出す要素は何もない ということです。どんなに「あいうえお」を速く言えても本を理解することは できないではありませんか。全文をひらがなで書いてあれば小学1年生でも六 法全書を簡単に読めるでしょうが内容は分からないでしょう。同じことです。 速さを競ってはいけないのです。複雑な(高学年の)計算手順の高速反復は「考 えさせない力」をさらに強大化させます。集中できているという人がいますが 「考えない集中力」をどんなに付けても思考力は育ちません。集中力には「考 える集中力」と「考えない集中力」があるのです。そして「考えない集中力」 は頭を活性化させているのではなく、頭を疲労させているだけなのです。大き な勘違いです。
 反射とは自動化するということです。自動化は放置すると固定化します。固 定化すると何も受け付けなくなります。これを反射式プリントで考えると「単 純計算の高速化(強制反復)→考えるなという指令の繰り返し(自動化による反 射形成)→頭の硬直化→硬直化した頭の固定化→考えることを受け付けない拒 絶化(人為的学習障害:ALD)→性格形成や人格形成に影響」となります。私は これら一連の症状は現場を無視した教育政策と教育業界大手の営利主義が生み 出した人為的学習障害(Artificial Learning Disabilities:ALD)だと思って います。
 この基本的な作用を頭においたうえで小学校低学年の学習方法を見直すと、 高学年で伸びる子どもの育て方が自然に分かります。
 小学校低学年の時にしなければいけないことは「考える力」と「正しい家庭 学習の習慣」を身につけることです。そして「考える力」を養成するために は、できるだけ条件反射の養成となる高速の機械的反復作業はしてはいけない のです。具体的には計算等でスピードを競うことは最もいけないことです。子 ども達は、面白がってやろうとしますが、害になるばかりです。ここで、いか にスピード競争から思考訓練に移行させることが出来るかが教師の力量なので す。なぜならば、単純計算のスピードをつけることはいつでもできますが、ゆ っくりジックリ丁寧に考えるという習慣はなかなかつかないからです。さら に、考える力のない子は小4からの抽象概念の世界を理解すること自体が難し くなりますので、全教科で落ちこぼれる可能性が出て来ます。教育者(保護者 も含む)は、この移行期を常に意識して子ども達を指導しなければなりませ ん。また「分かる」ことと「できる」こととは必ずしも一致しないことも子ど も達に教えるべきです。手順をまねて答えを出しているだけの「できる」で は、いつまでたっても「わかる」状態にはならないからです。それでも「分か らなくてもいいから計算を速くさせたい」「子どもの能力を制限し思考を麻痺 させ感情を不安定にし受け身の姿勢を作り豊かな発達を阻害してもいいから先 行学習をさせたい」という人が果たして何人いるでしょうか。少なくとも、私 は願い下げです。
 頭は急がされると計算の意味を知ろうとはしません。考えるとしても、それ は「どれだけ簡単に速く処理できるか」という本来の「考える」こととはかけ 離れた動きをします。短絡的であることを求めるのです。子どもはこの状態を 何十倍も敏感に受け取っています。そして、この状態は習慣を作り、性格を作 っていく要素になるのです。ここに「何も考えない」→「何も考えられない」 の悪循環の始まりがあります。
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●頭の硬直化に拍車を掛けているのが「百ます計算」プリントを家庭用に出してしまった人達です。