索引】 幼児・児童期(12才まで)の計算練習は最も応用の利く方法で最小限に留めておくことが肝要です。なぜなら、思考力養成とは全く関係のない計算練習 (「10の補数と九九」の反復という単純作業しかしていない)をいくらやっても、思考力の基礎である思考モデル(思考回路)作成は全然作れないからです。 すると、思考モデル(思考回路)作成が可能な限定された脳内進化時間(0〜7年間-12年間)を活用できずに「自分では考えられない頭」を育ててしまいま す。
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※「算盤の思い込み」については→コチラ
※「百玉そろばん」については→
コチラ
●なぜ「百ます計算」ではなく三角計算なのか。→コチラ
●三角視算表の作り方と様々な使い方・してはいけない使い方→
コチラ
●誰でも一瞬で暗算が出来、何の弊害もない方法「
横筆算
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<掲示板より:よくある勘違い例です>
[359] ぁぃこ 投稿日:2004/07/08(Thu) 10:51  [東海]
こんにちわ。色々な計算方法のサイトを探していましたら貴方様のHPをみつけ拝見させていただきました。私は現在中学3年生の家庭教師をしている23歳の ものです。その子は近所の子で私と同じ中学にかよっていますがあまりにも学力が低すぎてとても困っています。テストの点は全て20〜30点。計算もできな ければ国語の現在分もできない状況です。これから高校受験なのに引き算、掛け算など基本がまったくできていないのです。そこで以前テレビで見た100マス 計算と三角計算のHPを探していました。そこで計算の違いのページを拝見しました。かなりの批判をされていましたが、そこまで批判することなのだろうかと 少し思いこちらに書かせていただきました。批判されているとおり 見にくい、同時に計算ができない などそのとおりだと思いますが、三角計算の評価があま りにもすごく書かれているので…そんなに三角計算がいいのでしょうか?たしかに三角は 足す→引く も同時にでき3つの計算が同時に勉強できるかもしれな いですがただの暗記ものじゃないんですか?たしかに算数の基本は 覚える しかないかもしれません。しかし、算数の楽しさである 計算 というのがまった くない気がします。小学生レベルなので そこまで言うことではないのかもしれないですが私は考えることが好きで、与えられたものをただ覚える という作業 は大嫌いでした。しかしこの三角計算だと ただ覚えてるだけで 考える楽しさが感じられません。足し算、引き算を 形として覚えて頭の計算力や回転力は養 われるのでしょうか?私のような年だからそう思うのかもしれないのですが…とつぜん来てこのような長い書込みをしてしまって大変申し訳ありません。しかし 少し疑問に思ってしまったのでどうしても書きたくなってしまいました。お気を悪くさせたかもしれないですが、若いヤツのたわごとだと聞き流していただいて もかまいません。それでは失礼します。
[回答]
>>そんなに三角計算がいいのでしょうか?たしかに三角は 足す→引く も同時にでき3つの計算が同時に勉強できるかもしれないですがただの暗記ものじゃないんですか?
●3つの計算が同時にできるからいいのではありませんよ。
「理解力・思考力・判断力」の素になるイメージを利用する練習ができるからいいんです。基 礎計算の方はオマケです。何十倍も敏感な幼児には「できるようになれば何でもいい」というのはとても危険なことなんです。ただし、だからといって算盤のよ うに計算の多くをイメージで進めることは無用です。「10の補数と九九」だけに限定することが重要なんです。ですから、「10の補数と九九」以外は1桁同 士でも筆算でするんです。もちろん暗算で出来ますが筆算を書くんです。ここが大事なんです。ですから、多量にしてはいけないんです。嫌になりますからね。 当然です。
●特に6才までは感じること(体感計算)を通して学習すること、また少なくとも9才までは見えることを通して学習することが健全な成長には必要不可欠だか らです。計算が出来るようになっても、その貧弱な能力と引き替えに人間になれないのでは割に合いませんからね。ところが、簡単だから、出来るから、速いか らという危険な理由で1-1=2.2+3=5.3+4=7などと「10の補数と九九」以外の単純計算(分解・合成)まで<暗記>させる人がいます。しか も、無意識に答えが出る方がいいと勘違いしています。例えば2+4=6ならば、2...4→6と反応するような訓練をします。しかも、高速でできるように してしまいます。高速で反応するには<考えないこと><感じないこと>が絶対条件になります。つまり、<考えないように><感じないように>訓練している のです。この訓練は徹底反復されると<考えることが出来ない><感じることが出来ない>基本回路を固定します。さらに悪いことには、考えないで感じないで 出た結果に無判断に従う(違和感を持たない)ようになってしまいます。幼児・児童期の一生に一度しかない思考の基本回路作成時期にこんなことをさせていて は思考力養成は不可能です。これらのことは練習不要の体感計算でオ・ワ・リ・です。<
体感計算>なら5分ですむ計算練習を何十時間、何百時間も費やす必然性は全くない。
[From どんぐり倶楽部:T.Itoyama]

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<補足:2007.1/31>
さて、この3つの数字のセット名は「シクサンジュロク」です。「shikusanjyuroku」でも結構です。「シクミロ:4-9-36」でもOKです。
私達は「九九の暗唱」を学習しますから、「シクサンジュロク」を使うというだけです。ここで、音(暗唱)→視覚イメージ(三角視算表)の再現をマスターし ます。すると、この3つの数字の配置の意味さえ教えれば同じ視覚イメージを使って6種類の基礎計算が全て同時に一瞬で<見える>事になります。見えている のですから、自在に使うことが出来ます。思い出す(視覚イメージを再現す)るキッカケ[トリガー]が「九九の暗唱」で使う「シクサンジュロク」というだけ のことです。「シクサンジュロク」を掛け算を暗記するためのものだと思っていては非常にもったいないですね。1/6しか使えませんし、思考力養成にもなりません。ところが、三角視算表を使うと、外見は同じ「九九の暗唱」をしているのに頭の中では全く違うこと(6種類の基礎計算の確認と思考力養成の為の視覚イメージ再現)を何の支障もなくしているのです。しかも暗唱は36個で済みます。...だ・か・ら、優れものなんです。
<実践>では、ここで確認してみましょう。
1.「シクサンジュロク」と言って(声に出さなくてもいい)頭の中に三角視算表のセットを数字の配置のまま再現します→
※目を閉じていても結構です。消えそうになったら何度も「シクサンジュロク」と言って再現します。ボ〜っとしたイメージ再現で結構です。
2.頭の中の視覚イメージを<見ながら>配置の意味を確認する
<三角掛算>
4×9=36
9×4=36
※「九九の暗唱」で9*4「クシ」..?と聞かれても頭の中では「シクサンジュロク」を使ってセットを再現して、見ながら「クシサンジュウロク」と言う。
<三角割算>
36÷4=9
36÷9=4
<三角分数>
36/4=9(4分の36=9)
36/9=4(9分の36=4)
●三角視算表を配置された通りに思い出すことで、教えなくても「九九」を習った瞬間に6種類の基礎計算をマスターする準備が出来るのです。
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三角視算表は進化する?




<オマケ>

<掲示板より>「百玉そろばん」について
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[2247] 投稿日:2006/02/07(Tue) 00:07  [関東]
いつも掲示板を読ませていただいています。幼稚園年長の男の子の母親です。お忙しいところすみませんが、先生のご意見をおきかせくださると有難いです。 「百玉そろばん」がうちにあるのですが、どんぐり問題の数が多くなってくると、絵ではなく百玉そろばんを使って考えたがります。百玉そろばん→  http://www.coara.or.jp/~nonaka/tossland/100dama/index.html例えば<0MX89>赤い花と 白い花があります。合わせるとみんなで24本あります。また、赤い花は白い花より6本多いです。では、白い花は何本あるのでしょうか。という問題で、最初 に24個の玉を用意しておいて、その玉を何度も動かして組み合わせてみて、9と15という組み合わせにすれば一方が6多くなる、ということに気付くという 具合です。私としては、楽しんで絵を描いてほしいなあ・・と思い、答えを出すことを急かしたりしているつもりはなく、「答えではなくて絵が大事なんだよ」 と言っているのですが、息子は、答えを早く出したい、絵をたくさん描くのが面倒、そんなにたくさん絵を描かなければいけないのならやりたくない、という感 じなので、ついついそろばんでやらせてしまっています。(問題を考えること自体は好きな様です。絵を描くことにはあまり興味がないようで、ごくたまに描く 程度です。工作は大好きでほっておいても自分でしょっちゅう何か作っているのですが・・)。ちなみに、今まで、息子に早期教育に関するものや公文などはや らせていません。こういう場合、絵に描かずにそろばんを使っても問題ないでしょうか。それとも、やはり絵を使って解かせたほうがいいのでしょうか。絵を描 いて解くのが面倒、という状態は年長児として問題ありでしょうか・・・(私の接し方が息子をそうさせてしまっているのでしょうか・・・)。
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●子供に楽な方法を与えれば殆どの子供は楽な方を選びます。ところが、その「楽な方法」が応用の効かない方法の場合は12才までは要注意です。考えるとき (計算ではなく考えるとき)に「百玉そろばん」が有効ですか?絵図は万能ですね。つまり、基本となる絶対基礎学力とは何かが大事なのです。
●計算過程の記録が残らないのも良くありませんし、どう考えたかも残りません。指折算や絵図での数字の操作では数字でさえも考えること・工夫することが出来ますからね。
※何のための「百玉そろばん」ですか?
数字の構造を理解するため?→お金の絵図が優れていますね。
計算するため?→指折算(算盤は持ち歩きませんが指はいつもありますね)・三角視算表・筆算が優れていますね。
考える→絵図しかないですね。
多角的な見方→絵図しかないですね。
※計算できればいい→電卓をどうぞ。算盤の暗算をどうぞ。
→でも今すべきことではありませんね。いいえ、してはいけないことですね。
●「有用性があること」と「脳内進化を促すこと」とは違いますね。今は脳内進化(思考モデル作成)させる時期ですね。
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<参考:必要なときに必要なものを>
http://reonreon.com/soroban.html
http://reonreon.com/finger.html
http://reonreon.com/sisan.gif
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>>私の接し方が
●ではなく「与えたもの」があなたの望む状況とは違う状況を作り出すためのものだったということです。道具には目的があります。その目的が何なのかを確定しないと自分の意図に反した結果が生まれます。
※算盤は結果(答え)だけを出してしまうように構造的になっていますね。当然「答えを早く出したい」になります。
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>>こういう場合、絵に描かずにそろばんを使っても問題ないでしょうか。
●今は無いように見えますが、大きな問題になります。
>>絵を描いて解くのが面倒、という状態は年長児として問題ありでしょうか
●おおありです。十分に描き尽くした後での言葉なら「進化」なのですが、最初からこれでは「進化する機会がなくなる」ということです。
※とりあえず、算盤を使っても結構ですので絵図を描かないと解けそうにない問題だけを与えてください。バランス(絵図と算盤)を少しずつ変えてみましょう。
※今、目の前で同じ問題を解いている子を想像してください。
A君「めんどくさいなぁ」→直ぐに終わる→「めんどくさいなぁ」→直ぐに終わる→同じ様な最短思考モデルを繰り返して(発展が無く)数だけをこなす
B君「おもしろいなぁ」→時間がかかる(時間をかけて1つの問題で様々な思考モデルが出来ている)
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●さて、今すべきことは何でしょう。「最短ルートは必要なとき以外は使わない」が豊かな経験が出来ますよね。今は「最短ルート」を使ってはいけない最も貴重な脳内進化時期ではありませんか?
http://reonreon.com/difference.htm
<<慣れさせることの危険性>>
http://reonreon.com/nare.html
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●誤解の無いように書いておきますが「優れた教材も時期を間違えると悪影響を及ぼす」ということです。
>>最初に24個の玉を用意しておいて、その玉を何度も動かして組み合わせてみて、9と15という組み合わせにすれば一方が6多くなる、ということに気付くという具合です。
●この操作は絵図と同じ操作です。つまり、同じことをするのですが用意されている「物」を使ってする場合と、自分で作りだしたものでする場合とでは「格段に育つ力が違う」ということです。「簡単・便利=基本」ではないということですね。
※また、絵図なら長い○1コを5個分と考えることもできますが、できあいの玉ではこの自由度がなくなりますね。この自由度が進化(工夫で生まれる脳内進化回路の養成)に繋がるんです。
●計算ドリルで筆算が既に書いてあるドリルがありますが同じように非常にいけません。「筆算練習は筆算を書くところから始めなければ意味がない」のに書い てあるんです。一見、楽で便利ですね。筆算練習も出来ているように見えますね。でも、筆算をしなくなるんです。何故でしょう?自分で最初から書いていない からです。書かない練習をしたからです。当然です。習慣には「する習慣」と「しない習慣」があります。怖いのは見えない「しない習慣」なんです。「書かな い」「描かない」「考えない」→「書けない」「描けない」「考えられない」になるからです。
[From どんぐり倶楽部・代表:T.Itoyama]

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[2246] 投稿日:2006/02/06(Mon) 09:54  [近畿]
先生 お返事ありがとうございます。子供にとって計算が「できる」「できない」は、たいした問題ではないこと、(自信に繋がる事ではない)先生が教えて下 さったように、「何か」をしたいから計算という道具を使う。スーパーごっこをしている子供に教えてもらっていたのですね。お返事をどんぐりのノートに貼っ ておきます。いつも、いつもありがとうございます。
● 意味がないのに(意味を見出せずに)出来るからする。出来るようになるためにする。という感覚は「意味が無くても出来るからする」→「意味は不要、出来れ ばいいんだ」→「すべきかどうかの判断は無用:判断しなくていい:判断できない」という最悪のルートを作ります。頭の回路の組み立てが終わってしまった大 人ならばそれでも結構です。ですが、頭が作られかけている急成期には絶対にしてはいけないことなんです。「出来るようになればいい」は非常に危険なんで す。
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●「自信を持たせるために計算だけでも漢字だけでも〜」という声も聞きますが、止めて下さい。そんなガラスの自信は持って貰っては困るんです。この時期に 子供達に与えられた自信は一生の自信になるものです。計算が速くできることや漢字を沢山知っていることを一生の自信にさせてしまうくらいなら何にもさせな い方が格段に素敵な子供に育ちます。
※自信は視考力(誰もが持っています)を自在に使えることで育てるんです。視考力は万能ですからね。一生の自信になるんです。
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<最新ページ>
http://reonreon.com/difference.html
[From どんぐり倶楽部・代表:T.Itoyama]
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「開いた口がふさがらない...算盤」
●「開いた口がふさがらない...呆れて物が言えない...でもこの程度の認識なんだろうなぁ」と思うコメントを偶然目にした。
>このページの論理からいうと、そろばんはもっと優れているのでは?とも考えました。百ます計算や三角計算を極めても、
3ケタ×3ケタを暗算でできるようにはなりませんからね(笑)脳を活性化させ、無駄がなく、具体的操作ができ、暗算にも発展できる。ますますそろばんを教えたくなってきました。
●<3ケタ×3ケタを暗算でできる>ようになっても思考モデル(思考回路)は1個も増えていないのだから全くの時間の無駄である。幼児・児童期には多種多 様な視覚イメージ操作が大事なのであって算盤でする10種類の視覚イメージ操作では何の思考モデル(思考回路)作成もできない。だから、ダメなんです。単純 作業の反復は思考モデル(思考回路)を作る幼児・児童期の思考に関しては時間の浪費でしかない。と、ここまで言っても分からない...見えても分からな い...異常です。<優れている>...?<機械的に>と言うことだ。なら、コンピューターの方が優れている。機械的なことを最低限で最も効果的なところ でストップすることが重要なのだ。全く分かっていない。算盤の利便性は十分に心得ている。が便利であることと、思考力養成とは全く異なる。算盤の利便性は 単純視覚イメージの単純操作であるが故に優れているのだ。ちなみに、指折算(指 算盤)でも算盤と全く同じことができる。理屈も同じである。無理なく大きい桁数まで扱える分算盤が優れてはいる。しかし、それは思考モデル(思考回路)養 成には害があるばかりなのだ。だ・か・ら、幼児・児童期の思考モデル(思考回路)作成可能時期には時間の浪費という意味で有害なのだ。12才を過ぎてから 思う存分やってくれ。思考モデル(思考回路)を作れなくなってからなら、単純作業の高速反復による高速処理を強化しても悪影響は少ない。結果(答え)だけ しか残らない視覚イメージは応用が利かないのだ。思考力養成の要である思考モデル(思考回路)を作ることが出来る幼児・児童期という限られた貴重な時間を 使って10種類の貧弱な視覚イメージ(算盤の珠の視覚イメージ数)の高速徹底反復をすることで暗算を強化することがいかに危険なことかを全く分かっていな い。この練習をしている時間は考えない練習をしている時間なのだ。
●誰でも一瞬で暗算が出来、何の弊害もない方法「横筆算」なら記録も残る。十分に速い。「より速くできる方がいい」なんてのは幼児・児童期には最も危険な考え方である。