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「算数は体感計算からイメージ計算」「国語は絵コンテ読解」が基本 <教育コラム004>〜高速計算練習をしてはいけない理由〜 「高速計算練習」は、目で考える方法を修得すべき年長〜小三あたりで行われます。これでは目で考える方法を知らずにすごすことになってしまいます。「高速計算練習」をさせるということは、必要なことをすべき時間を使って、不要な負荷をかけ続けることになります。思考力の基本を育てるべきときに、その時間を奪っているのです。 もちろん、意図的に奪っているわけではないでしょうが、結果的にはそうなってしまっています。これは、早急に改善しなければいけないことです。思考力の基礎を作り上げなければならない時期に、応用のきかない方法で目先の成果だけを追い求めていることに気づいていないのです。この時期には、基礎計算力と同時に、考える力の基礎を作りあげなければならないのです。 学習前にウォーミングアップとして、穴埋めプリントなどを使って「高速計算練習」をしている先生もいるようですが、もう少し工夫してもらいたいものです。ウォーミングアップなら、文化的伝統を持っているソロバンでの暗算のほうが格段に優れていますし、教育としても格段に優れています。ただし、学力の伸びを考えると、やはり「三角計算」と筆算がベストです。無理なく無駄なく効果的だからです。そして、良質の算数文章問題に時間をかけなければいけません。良質の算数文章問題なら、国語の力も同時につけることができます。 さらに、ウォーミングアップについては次のようなことを平気で言う先生もいます。「国語の授業だけでなく、社会や算数の授業でも、最初の数分間は古典や漢文などの暗唱用教材を用意して音読をします。これを毎日くりかえします。すると、学期が終わるころには、子供たちの多くはスラスラと暗唱できるようになります。彼らの記憶力には驚かされます。こうした積み重ねが子供たちの学力の基礎を鍛え、向上させるのです」 もっともらしく聞こえますが、こんなことは何十年も前からやっていることです。よく使ったのが百人一首です。ところが、教育の本質はこんなところになどありません。記憶力がいいから覚えさせる。そんなことが基礎や基本だと思っているのでしょうか。何とお粗末な考え方なのでしょう。こんなことは余裕のあるときにオマケとしてすべきことです。確かに、音読を学習としてではなく、健康面から考えると効果はあります。演劇の練習とも共通しますが、大きな声で体を使って発音練習することは、健全な心と体の育成には効果を発揮します。しかし、それは学力養成とはまったく別物です。 ※高速計算練習がどうしても必要な場合は、小学校六年生になってから三ヶ月程集中して練習させてください。そうすればもっとも弊害を少なくして効果的に計算力(高速計算)を身につけることができます。間違っても低学年からの高速計算練習はさせないでください。低学年での高速計算練習は、無駄な時間とお金を使って子供の才能を潰しているようにしか思えません。 |
※特に分数計算で分母を最小公倍数にすることが基本だと思っている先生がいますが間違った基本です。これでは応用力は育てられません。 …………………………………………………………………………………………… 掲示板より [707] キララ投稿日:2005/04/03(Sun) 10:30 [関東] はじめまして。どんぐり先生、去年、御相談のメールを出しましたキララです。少しずつ回復しています。有難うございました。「百ます」は学校ではまだしていますが、家庭ではしていません。子供が少しずつ変化していくのが分かります。「どんぐり倶楽部」の「良質の算数文章問題」はすごいですね。子供の考えていること、考えていないことが手に取るように分かります。今まで何をやっていたんだろうと反省しきりです。一言御礼を申し上げたくてカキコしました。有難うございました。 ●良かったですね。低学年の学習は「できれば何でもいい」わけではありません。一生を左右する思考モデルを養成する時期なんです。その貴重な時期に単純で貧弱な学習の代表である「暗記と高速計算」は厳禁です。 …………………………………………………………………………………………… 上記は次のような御相談のメールの続きです。 「教えて下さい。「百ます計算」は超高速でできます。漢字も小学生の1006字をほとんど書けます。教科書の暗唱も。でもどんぐり問題は解けません。どうしてなんでしょうか。まだ、ほかにしなければいけないことがあるんでしょうか?」 >>返信の抜粋「計算は単純な思考モデルの反復でしかありませんから、様々な思考モデルを使う本来の思考とは全く関係ありません。どんなに速く反応できても使っている思考モデルが単純なので思考にはならないのです。無駄であるどころかストレスを与えているだけです。暗記は知識を増やせば学力養成ができるという迷信のうえに立った考え方です。考えるとは視覚イメージを操作することです。知識量とは比例しません。ですから思考力の養成にもならないのです。では、どうすれば思考力養成が出来るのか書きます。・・・ ※計算の速さで自信を持たせることほど危険なことはありません。子供時代の速さの追求は致命的なダメージを与えます。お子さんをよく見てあげて下さい。喜んで「考えない時間を過ごす」ようになっていませんか?」 ●「ゆっくり・ジックリ・丁寧に」続けて下さい。 [From どんぐり倶楽部:T.Itoyama] |